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―その後、母校の大学の講義補助を経て、独立。大学を卒業してから独立するまでが、3年という短い期間ですが、急がれた理由などあったら教えてください。
理由は複雑でね。自分の納得のいく環境じゃなかった。無駄な事をずるずる続けてもしょうがないかな、と。でも、見切りをつけるのが早すぎるって反省もしてる。「石の上にも3年」て言うじゃない。だから本質的なことは判っていないのかもしれないね.。でも、つまむだけでも、やらないよりはマシっていう考えもある。イメージだけ膨らませて、実際にやってみると思っていたのと違うじゃない、というようなことはこの世の常。なんでも現場で実際にやってみなけりゃ判らない。
―思いたったら、すぐ行動されるんですね。
若いころは確かにそうだった。体力もあったし、せっかちで、熱かったよね。今はだいぶ大人になっちゃった。
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仕事は楽しくなきゃ
―会社を創業されたのが27才。ずいぶん若く起業されていますが、会社創業時のご苦労などあれば教えてください。
今でも苦労つづきで何が苦労で何が苦労じゃないかわからなくなっちゃった。創業から今までズーっと仕事がうまくいったことなんてないよね。そうじゃなかったらこんな格好してないよ。バリッとプラダのスーツかなんかに身を包んで登場だよ。
―会社は映像をつくる会社ですね。
映像会社なんだけど、それだけじゃない。根底には映像という基本があっても、それだけじゃ終わらない。どんな仕事でもそうだと思うけれど、自分が得意とするものに乗っていかなければ、道は開けないでしょ?だから一応看板は映像ということにしてある。
―少しわかりにくいのですが・・・どういうことですか?
「何が専門なんですか?」「何の仕事をしているんですか?」ってよく聞かれるんだけど、カテゴリーに入れられるのが嫌いなんだよ。別に専門が何かなんて決めなくたっていいじゃない。マルチでも。「何の仕事を振ってもらっても大丈夫」そういうスタンスでいきたいんだ。映像から離れても大丈夫。むしろそこから離れた仕事をドンドンしていきたい。そう思っている。
―御社の業務実績を見ると、映像やラジオやイベントなどやはりメディアのお仕事が多いと思われます。常に発信する側にいたいというようなお気持ちは強いのでしょうか?
そんな難しいこと、意識したり、考えたことは無いかな。要するに、仕事は楽しくなきゃ。嫌いな仕事を無理にしなくてもいいように独立したわけだし。嫌な仕事を続けていると人間腐っちゃう。それから、好きなこととは言っても、1人ぼっちでやるのは楽しくないから、人がたくさん関わる仕事をしている。それから、やったことのない仕事でもドンドンチャレンジする。だって、やれば覚えるし、それによって仕事の幅が広がるでしょ。だからこういうスタイルになった。単純にね。
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クリエイターは僕の性にあってる
―自身がプロフェショナルであるという意識は持たれたことは無いのですか?職人的に極めていくとか、顧客満足を追求するとか。
僕は職人ではないのよ、もともと。「映像」というと、カメラマン的なイメージが先行しちゃうけど、僕はもともと畑が制作だから。クリエイターというのは自分のイメージを具現化していく仕事。プロではあるけど、技術的なものを追求するということでもないし、お客に合わせすぎて自分のイメージを捨てたら、それこそ商売にならない。良いイメージを作って形にするっていうのが仕事だからね。
―クリエイターという仕事のどこに最も魅力を感じますか?
無から有を創り出すところ。創造性かな。それに加えて、この仕事には終わりがあるっていうこと。一つのプロジェクトが終われば、きれいさっぱりそこで終わってしまう。本当に終わってしまうんだ。製造業みたいにあとから製品クレームが付くわけでもない。メンテが必要なわけでもない。だから、プロジェクトが終了したら完結。そこで終わり。そんな刹那的で打ち上げ花火のようなところもあってるのかな。
―単発のプロジェクトの魅力は?
仕事が始まったら、必要とする人材をかき集めて、プロジェクトが終わったら解散。それぞれ別な仕事に散っていく。それが一番効率がいいし、人の力を一番発揮させることができる。適切な人を、適切な場所に持っていって動かしていく。人の才能のコーディネイション。最高のチームで最高の仕事をする。
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クリエイションは、頼む側とやる側の共同作業
―川野さんは、カメラマンはやらないのですか?
生活のために、必要に迫られてやってる。それは冗談だけど(笑)現場を仕切るときには、その仕事の技術的な知識とか経験がないと指示できないし、うまくまとめられない。そのために技術の経験を積んでいるというとこはあるね。
―詳しく教えてください。
技術の基本やトレンドを知らないと、まかせっきりになってしまう。結果がでなかったとき文句も言えないでしょ。そうするとぞんざいな仕事になっていく。クリエイションていうのは仕事として成立している以上、頼む側とやる側の共同作業なんだ。たとえば、「こういう絵を撮って」って頼んでカメラマンがダサい絵を撮ったとき、こういう角度で、こういうレンズで、こういう露出で、こういう効果でやればとれるだろってやらないと適当にかまされちゃんだよ。誰でも面倒なことってやりたがらないからね。自分が流れを作ってきちっとやらないといい結果は出せない。
―そういった仕事の仕方は、疲れませんか?ずいぶんパワーがいるでしょうね。
パワーっていうか・・・・性分なんだね。同じことを淡々と続けられない。変化がないと、硬直しちゃうんだよね。常に何かをやっていたい。何かを考えていたい。そんな衝動に駆られる。
―そういう意味では天職のようなお仕事につかれたと言えますね。
まぁ、マトモじゃないんだよね。組織の歯車になりきれないし、順応できない。大人じゃないんだね。
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自分の場所を探せ!
―ご自身で組織を作って頂点に立つっていうのは考えられないのですか?
だめだめ。できないよ。僕今も社長じゃないもん。お金の事考えたくないし、考えたらやってらんないでしょ。これで、いくら儲けて・・・って考えたらできない。ここまでやっちゃったら損する、とか思っちゃうでしょう?コストパフォーマンスとクオリティは相反するんだ。コストを考えれば妥協しなきゃならない。
―大変独自の人生観と独特な仕事のスタンスをお持ちなので、後輩達にアドバイスっていうのも何なんですが。もしあれば教えてください。やっぱり「自分の道は自分で探しな」ってところですかね。
あえて僕の仕事を分類するとすれば、クリエイティブ職っていうことになるんだろうけど。クリエイティブであるって言うことは、自分に妥協しないってコトに等しいから、アドバイスって言っても難しいね.それを貫くことで人生失敗することもあるし、無責任なことは言えない。
―ではクリエイティブであるにはどうしたらいいか教えてください。
上から課せられた仕事でも、自分で考え、自分のやり方でこなしていけば、それがクリエイティブって言えるんじゃないかな。ハートを売り渡すなってこと。金とかしがらみとかのために、自分を悪魔に売るなってこと。何か新しいやり方をしようとする時には、そこにある古いものを壊さなくちゃ、前に進めない。だから、クリエイティブ職であろうと、自営業であろうと、サラリーマンであろうと、クリエイティブであるっていう生き方は変わらない。今の時代、上がみんな総倒れなんだから、そんなやつらの言うこと聞いててもしょうがないって言うのはサルでもわかる。クリエイティブでなけりゃ二十一世紀生き残れないっていうことは言えるんじゃないかな。
―就職活動中の方に・・・・というか、自分の人生を探している人々にメッセージをお願いします。
自分が居心地の良い場所、というか自然にいられる場所を探せばいいと思う。必ず見つかるから。 面接に行ってみて、うまく自分がだせなかった、うまく話ができなかったところっていうのは結局相性が悪いんだよ。自分を生かせる場所を見つけて欲しいと思う。人生の成功を世間の尺度で考えることだけは止めなくちゃならない。自分の力で、自分の価値観で自分の生きる場所を探し続ける・・・その先にあなたの未来がある。ナンテネ。
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