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病院の帰りに
買ったハーブの一鉢が
最初のきっかけです
2002/2/12 VOL.6

フォレストハーブガーデン 
神主 君子さん

神主 君子
Kimiko Komushi

茨城県水戸市出身。
8月25日生まれのO型。
ご家族は、ご主人と娘さん。趣味はスポーツ、アンティーク(イギリス)古民具などを集めること。モットーは「凡事徹底を心がける」、ご自身の性格は「あまり物事を深く考えず何事にも挑戦的」だそう。

●学歴
高校卒業後、被害者援助ボランティア資格、ハーブコーディネーター、アロマアドバイザーの資格を取得。

●職歴
フード関連事業


フォレストハーブガーデン
Forest Herb Garden

●設立
平成12年3月

●業務内容
ハーブガーデン、苗・鉢・雑貨の販売、メディカルハーブティとアロマテラピーの専門店。 アロマテラピーの実習は無料で行っており、アトピー・冷え性・美容などのレシピのアドバイスもしている。

●お問合せ
那珂郡那珂町豊喰597-2
TEL:029-298-6979




足の病気を乗り越えて・・・ハーブとの出会い

―このお仕事を始められたきっかけを教えてください。

私は長く足を患っていまして、立つと痛みがひどく、歩くことができませんでした。今も長時間立っていることはできないんです。その病気になってからもう7年で、ずっと大学病院に通っています。特に症状がひどかった頃には、身体障害者3級の申請を出していたほどでした。
歩けなくなった当初は、毎日泣き暮らしていましたよ。 車椅子でないと外出できないから、最初は恥ずかしくて、部屋に閉じこもってばかりでした。
でも、これじゃいけない、何か打ち込むものがなければと、少し前向きに考えられるようになった時に出会ったのが、ハーブなんです。
ハーブに関連する本を読んでいて、私も病気が良くなったら育ててみたいと思いました。そんなある日、大学病院に行った帰りにハーブの一鉢を買ったのが、最初のきっかけです。

―今は足のほうもずいぶん良くなられたようですね。

ハーブを体に入れるようになってから、 徐々に歩けるようになったんです。うまく自分の体に合ったんじゃないでしょうか。

自然治癒力を高めるハーブ

―ハーブは万病に効く、薬のようなものなのでしょうか?

西洋医学とは違って、自然に存在する体に良いものを採り入れて、 自然治癒力を高めていくのがハーブです。自分で病気を直す力を、ハーブのパワーが助けてくれます。長期で続けて、徐々に難病が回復したといった事例が本当に沢山あるのです。体調・症状に合わせて考えたハーブティーを飲んで、 皮膚からはアロマの成分を入れます。

―口と皮膚両方から摂取するのですか?

そうです。 お茶とアロマの組み合わせは切り離せません。 だから、私のお店もこのような形態になりました。

―ハーブによる治療とは体質改善のようなものなのでしょうか。

そうですね。例えば、花粉症の方だったら、毎年花粉症になります。 それはアレルギー体質だからです。花粉症を改善するためには、体の根本的な所から改善していくしかない、対症療法では根本的な解決にならないし、薬物は依存体質を作ります。人間は、自分で回復する力を持っているんです。 が、ある程度の年齢になると、その力が弱まってきます。 ハーブやアロマは、それを回復する手助けをするんですね。

―医療の現場でも使えそうですね。

既にドイツなど欧州では、医療の一環としてハーブを使用しています。 保険もきくんですよ。
日本でも、アロマテラピーは精神科や老人ホーム、針灸などに使われるようになってきました。でもまだ、日本では薬として認可されておらず、 食品や雑貨の部類としてカテゴライズされています。

ご主人の協力と理解

―神主さんは、もともとハーブやアロマがお好きだったんですか?

というより、私は植物が好きで・・・そして何より非常に土が好きなんですね。 365日土を触らない日がないくらいです。肥料や堆肥も全部自分で作ります。
徐々に歩けるようになってから、主人に園芸用の車椅子を買ってもらったんです。それから、リハビリを兼ねてよく庭に出るようになって、4年前から庭にある小さな石を一つずつ取り除いたり、土を改良したりして、 苗を植えて、今のハーブ園を作っていきました。

―最初はハーブとアロマのお店ではなく、ハーブ園から始められたんですか?

そうなんです。もともとは個人的につくったこのハーブ園を、皆さんに開放するのが目的だったんです。そのついでに、ハーブの利用の仕方を皆さんにアドバイスしていました。でも、ハーブ園では、冬や夏は駄目で、半年ぐらいしか機能しません。私の足もだんだん良くなってきて、このハーブをビジネスにしていきたい、という気持ちが強くなって、それで今のお店を2年前にオープンさせることになりました。

―このお店や、外の木製のゲートやベンチが、雰囲気があってとても素敵ですね。

ありがとうございます。全部主人の手作りなんですよ。日曜大工で、コツコツ作ってくれたものなんです。私が一生懸命やっている姿を見て、誰よりも一番身近な主人が応援してくれて。ハーブを仕事にしたいなら、体のことも考えて、外に勤めるより、家でできた方がいいんじゃないかと、バックアップしてくれました。
最初は今のお店の半分の広さだったのですが、 去年の夏、増築して倍に広げてくれました。

独自のレシピ・仕事の楽しさ、難しさ

―ハーブやアロマの勉強は、どうされたんですか?

最初は通信教育で、ハーブコーディネーターとアロマアドバイザーの資格を取りました。お店をはじめるにあたっては、お茶の調合やアロマテラピーについてさらに深く勉強したかったので、東京の研修に出たり、先生を呼んだりして、自分なりに研究しました。その勉強の結果、独自に考え出したレシピが、今の仕事の基本になっています。それがお客さんのニーズに合っていたんでしょう。 美容に効果的で、アトピーも直ると評判で口コミであっという間に広がりました。

―今、アロマテラピーはブームですね。神主さんのようになりたい人も多いのではないでしょうか。

この仕事は、憧れや趣味の延長で続けるのは、なかなか厳しい仕事だと思います。資格を取るのは、勉強すれば誰でもできますが、それを自分のものにしてビジネスにしていける人は、ほんの一握りじゃないでしょうか。独自の考え方をもって、それを人に伝えていくのがこの仕事の本質だと思っています。

―仕事を通じてやりがいを感じるのは、どんな時ですか?

例えば、高齢のお客様ですが、肌がしわくちゃだったのに、アロマの力で肌が どんどん潤ってくるのを見るのはとてもうれしいです。女の人ってシミが取れたり、しわが取れただけでも、とても変わって生き生きとしてくるでしょう。
自分がアドバイスして、調合した精油がその人に合っていて、良くなっていく人が、 1人でも2人でもいれば、すごくうれしい。感動がありますね。
お客様から、「良くなりました。ありがとう。」といった電話がくると、 疲れも吹っ飛びます。この仕事はすごく神経を使うんです。だから、そういうお客様の声が1件でも入ると、「ああ、今日は良かったね」って、娘と喜ぶんですよ。

―逆に、難しいと感じるのはどんなところですか?

お客様の悩みをしっかり聞いて、カウセリングの上で いろいろ調合させていただいても、いわゆる西洋医学でいうお薬を常用している方には無駄になってしまうことが多いのです。日頃から薬に頼っていて、即効性を求める人は、ハーブでの治療は難しいです。
日本人は大概、せっかちですね。すぐに目に見える結果を求めるんです。じわりじわり、じっくり、継続してやることが出来ないと この手の治療は難しいですね。

トータル的な美容事業が夢

―ビジネスとしては、これからどのようにお考えですか?

娘が二人いるのですが、一人が、アロマの調合を手伝ってくれていて、もう一人の娘は、東京でネイリストをやっているので、将来的には、家族で美容関係をトータル的に事業としてやれたらな、という夢があります。でも、あせらないで、じっくりいいものを成し遂げたいとも思っています。
ハーブやアロマの良さというのは、 まだ日本で理解している人は少なく、 材料が売ってるところはあるけれど、 どうやって使ったらいいのかわからないという人がほとんどです。自分に適した形にする方法がまだ浸透していませんから、 それを少しずつ広める力になれたらと思います。

―今は、何かそういった啓蒙的な活動もされているのですか?

学校でセミナーをやらせていただいています。子供やお母様方にハーブやアロマの良さを伝える、といった内容です。 こういったことも、 これから私のライフワークとして、続けていきたいですね。

インタビューを終えて

西洋医学の基本的な考え方は、毒を持って毒を制す、あるいは悪いところを切る、ハードランディングの治療です。体力のある場合は、それを乗りきることができますが、抵抗力の弱っている場合は強い副作用があり、治療によって命を落とすことさえあります。
一方ハーブやアロマによる治療は、時間はかかるけれど、ゆっくりともとから人間に備わっている抵抗力や、免疫力などの自然治癒力を高めていく療法、目の前の激しい痛みや苦しみを無くすことはできなくても、癒し、生きていく力をあたえてくれます。いわばソフトランディングの治療です。

今、時代は癒しの時代といわれています。そして癒しから励ましの時代に移ったとも言われています。小泉政権は痛みを伴う改革を行っていますが、大半の国民は、できれば痛みを感じたくない、平和に平穏な日々を暮らしたい、そう願っている。そして日々の生活の中でその恐れ、その不安を癒そうとしています。そして、明日への生きる活力を与えてくれる励ましを求めているのでしょう。疲れて、生きる活力がなくなると、これまでならなかった病気になってしまったり、 急に昔の病気が復活したりする経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

人の体はデリケートで神秘的なもの、ハーブやアロマはそこに静かに触れて、優しい手で直してくれます。 まるで赤ちゃんのころ感じた母親の優しい手のように。 時代は父性の厳しさから逃れ、母性の優しさを求めようとしています。 神主さんのような方がどんどん増えて、人々が気軽に日常的に自分を癒したり元気付けたりできるようになれば、世の中はもっとハッピーになると感じました。これからも茨城の人を元気にするために頑張ってください。