HOME > This week pick up > 『ビバ・ラ・ジョビ』バックナンバー > 田所雅弘さん


お店を中心に熱帯魚好きな人の輪が
広がるのがうれしいです

2002/3/12 VOL.7

FISH&PLANTS 魚工房 
田所 雅弘さん

田所 雅弘
Masahiro Tadokoro

茨城県出身。
昭和43年2月3日生まれのA型。
奥様とお子さんの3人家族。趣味は釣り、音楽鑑賞、スポーツ観戦。負けず嫌いな性格だそう。

●学歴
茨城キリスト教学園高等学校卒業

●職歴
自動車販売の営業


FISH&PLANTS魚工房
Fish studio

1999年4月24日設立。
熱帯魚、観賞魚販売全般、その他メンテナンスやイベントなどを行う。

●お問合せ
日立市大みか町3-23-3
TEL&FAX 0294-52-6681
E-mail:info@sakanakoubou.com

●URL
http://www.sakanakoubou.com


趣味が嵩じて本職に

―この仕事を始めたきっかけを教えてください。

趣味が嵩じて本職になってしまいました。熱帯魚が好きで15年位前から趣味で飼育をしています。 しかし、漠然と将来的にお店を持ちたいと考えてはいましたが、 踏ん切りもつかず、具体的なプランもありませんでした。 仕事は自動車販売の営業をしていたのですが、会社が倒産し、別な会社に移籍になったことが、良いきっかけになったようです。 そういうことがなかったら、こんなに早く、この仕事は始めなかったかもしれません。

―始めた時、家族のご意見はお聞きになりましたか?

そうですね。結婚して1年目くらいでしたし、妻は「そんな趣味が、仕事になるのか」 という不安はあったみたいです。 会社員は仕事をしなくてもある程度のお給料は貰えますが、自営はそうはいきませんから。

生き物の商売

―熱帯魚の魅力はどの辺にあるのでしょう?

とにかくかわいいですね。

―毎日見ていてもあきませんか?

確かに今は、毎日仕事で熱帯魚や水槽を見てるので、自宅に水槽の「す」の字もないです(笑) 休みの日は熱帯魚以外の趣味で楽しんでいます。

―管理なども大変じゃないでしょうか?

まだ小規模なので大丈夫です。魚の管理に関しては、お客様のほうが丁寧かもしれません。 お客様によってはかわいさあまって、大事にしすぎて、逆に死んでしまったりするすることがあるくらいです。

―大事にすればいいというわけではないのですね。

週一回のメンテナンスをしたら、 ある程度は放っておいたほうがいいです。

―この仕事をしていて大変なところはありますか?

生き物の商売ですから、外出が制限されます。去年の9月頃、ディズニーシーがオープンしたので家族で泊りがけで遊びに行こうとしたら、 その日に限って雷でお店が停電になってしまって(笑) 両親に電話してなんとか電源入れ直してもらったんですが。
外泊するたび、夜になると、電気大丈夫かな? と心配になります。

できるだけお客様の負担にならないように

―独立してよかったことや楽しいことはありますか?

私自身もともと熱帯魚が好きですから、本当に熱帯魚が好きな人達と話ができるっていうのはやっぱり楽しいです。
熱帯魚を飼育しているという人は多いと聞きますが、人口的には少ないですし、そういった人たちが出会う場というのは少ないんです。お店をやっていればお店が中心になってそこに人が集まって熱帯魚の好きな人の輪が広がりますよね。

―お客様はどういった方が多いのですか?

年齢層は幅広いですが、比較的自営の方が多いでしょうか。

―熱帯魚は高額な趣味というイメージがありますが。

お金はかけようと思えばいくらでもかかってしまいます。当店はお金のかかりすぎる飼育の方法はお勧めしていません。
たとえば、魚が病気になったときなども、薬を売ったりすれば利益はあがりますが、出来る限りお客様に自力で治してもらうのが商売の良心と考えています。何をしてもお金がかかってはお客様もイヤになってしまうでしょうし、できるだけお客様の負担が大きくならないよう考えています。

―熱帯魚を売るのに何か資格などは必要ですか?

それはありません。逆に、資格がないので一般のお客様とお店の線引きがないというところがあり、ブローカーまがいの商売が現われがちです。

昨今の熱帯魚事情

―これからの展開、夢などは?

今は通常の問屋さんを通して取引していますが、これからはできるだけ中間マージンを抑えて輸入、販売ができる直輸入という形をとりたいと思っています。そうすることによって他のお店よりも安く売ることができるので、お客様に喜んでもらえると思うのです。

―直輸入販売をしているお店もあるのでしょうか?

あります。でもそれだけでは最終的に値段の競争だけになってしまうので、お店ごとの「色」が必要だと思います。そういう魚を重点的に揃えようとか、それぞれのお店の特徴・特色付けが必要ではないでしょうか。

―田所さんのお店の特色は?

日本の家庭事情の関係で、大きな水槽よりは小さな水槽のほうが圧倒的な人気がありますので、小さめの熱帯魚を揃えています。インテリア感覚で置かれたりするお客様も多いですね。

―今後また熱帯魚のブームが来ると思いますか?

また来てくれるといいですね。10年位前のブームは勢いがありましたよね。
現在は、“ペット産業2兆円”といわれる中のほとんどが、犬猫・小動物中心で、熱帯魚はその中の数パーセントですから。今のお客様は真剣に熱帯魚が好きな方ばかりです。逆にブームが終わって落着いて安定したお客様かもしれません。

やりたいことをやろう!!

―独立を考えてる方や、自分のお店を持ちたい方にアドバイスをお願いします。

自分で仕事を始めるとなるとすべてを一人でこなさなければなりませんし、誰も助けてはくれません。「今日は調子が悪いから」と仕事を明日にまわしても、明日仕事をするのは結局自分しかいないんです。ですから何でも自分に責任があるという意識を強く持って自分に対して厳しい目を持っていないと、どこかで必ず歪みができてしまうのではないでしょうか。

―今は独立のタイミングとしてはいかがですか?

厳しい不況の中ですが、悪いときに始めるというのは、「悪くない」と思ってます。良い時代に始めて失敗する人もいますし、悪いときに始めて生き残って次の良いときに勢いに乗る人もいるし。自分も独立当初は周りの人から今の時期はやめろ、と言われましたがやろうと思ったら進んでしまう性格なので。一度切りの人生やりたいことをせずに死ぬのでは何のために生きているのかわからないでしょう。やりたいことがあったらかならずやりましょう!と言いたいですね。

インタビューを終えて

プロ意識というものがあります。
それは、自分の仕事に対する、愛と誇り、自分しか自分を律することができないという自覚に基づく厳しさ、そして、あくなき探究心によって身に着いた技術です。これはまさに人生観そのものといえます。
つまり、彼等プロにとって仕事とは、自分の人生を生きることそのものなのです。
自分の人生を生きるために、リスクを負う・・・・ それは厳しい世界です。しかし、そこには不安はありません。それは清潔で誠実で真剣な世界。人にやらされているものに人は命をかけることはできないのです。
そして、今のような厳しい状況において、あえてやりたい仕事をを始めるということが自分自身のプロ意識を試す最高のチャンスだと彼は教えてくれました。