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だったら子供には
自分で教えてしまおうと思ったんです

2002/4/24 VOL.8

(有)英語教育研究所 代表取締役
木村智子さん

木村 智子
Tomoko Kimura

北海道出身。7月14日生まれ。
英語教育学修士(茨城大学大学院修了)。ケンブリッジ大学英語検定YLEスピーキングテスト試験官。
家庭教師、塾講師などを経て、現職に至る


主な著書は、「10時間で英語脳を作る本」、 「10時間で英語脳を作る本〜初級編〜」、「英会話暗記するのは止めなさい!」。


趣味はHIP HOP系のダンス。影響を受けた本は、最近ではRobert Kiyosaki氏の“Rich Dad, Poor Dad”。


有限会社英語教育研究所
English Education Study inc.

2000年8月4日設立。
英会話教室の経営、英語教師育成、英会話のオリジナル教材の作成および販売。

●お問合せ
URL:http://www.eiken-inc.com/
所在地:水戸市宮町2-10-13
     ロマーヌ水戸第6 101号室

TEL:029-300-7060



木村智子さん著書紹介ページ
http://www.eiken-inc.com/04staff/0402.htm

英語は大の苦手だったんですよ(笑)

―まず事業内容から教えてください。

水戸市と日立市で英語教室を開いています。対象は小さなお子さんからシニアの方まで、英語に興味のある方、英語教師を目指している方といろいろな方がいます。また英会話のオリジナル教材の作成と販売、本の出版、講演活動などもしています。

―ビジネスにされているくらいですから、昔から英語は得意だったのですか?

いいえ、それが大の苦手だったんですよ(笑)
だから自分の子供にはそういう思いをさせたくて、1才ぐらいの時に英語教室に通わせようとして10件ぐらい教室を回ったんです。でも、なぜかどこも「ピーン」とくるものがなくて、「そうだ、だったら自分で教えてしまおう」と思ったんです。

―それでは、お子様のことがきっかけでこのお仕事を始められたんですね。

そうですね。自分の子供に教えているうちに、近所の方から「自分の子供にも教えてくれないか」と言われ、そのうちに話がどんどん広まって、教室になったんです。人様の子供に教えるのだったら、自分ももっとしっかりと勉強しなければならないと思い、茨城大学の大学院に社会人入学して、英語教育学を勉強しました。昼間は仕事、夜は学校へ通うという日が続きましたね。こうして私が15年かけて、形になった英語学習法が、「フレーズ法」だったんです。

きっかけは「木村さんの話おもしろいねぇ」

―「フレーズ法」というのは?

フレーズとは「意味を持った言葉のまとまり」という意味で、英語を英語の語順のまま理解できるようになる英語学習法です。
ある程度、英文を読むことができる人でも、学校で後ろから訳せ、と教えられたために、前を訳して後ろを訳してと、目が行ったり来たりするんですよ。読む時には多少目が行ったり来たりしても文字が消えてしまうことはありませんが、音は聞こえたと同時に消えていってしまうので、即座に理解するくせをつけなければなりません。
読み方を意識して「英語の語順のまま理解する」ことを目で覚える事で、リスニング力がつきます。分からない単語があっても前後のフレーズの意味から単語の意味を想像することができるようになるんです。

―そのフレーズ法を書いた、「10時間で英語脳を作る本」が話題をよんでいますが、どんないきさつで、出版されることになったのでしょうか?

東京に出張した時、たまたま出版社の社長とお会いする機会があったんです。その方も英語にはとても興味があり、教材を購入しては勉強をしたらしいのですが、うまくいかなかった話を聞きまして、私は自分で学んできたことをいろいろお話させてもらいました。
するとその方が「木村さんの話おもしろいねえ、本にしてみないか?」と言われまして、それがきっかけで話がどんどん進み出版することになりました。

―「10時間で英語脳を作る本」というのは、かなり刺激的なタイトルですよね。

これはですね、よく「10時間で英語が話せるようになるのか」と聞かれるのですが、そうではなく、「英語を読んだり聞いたりするときに、英語の語順で理解できる基礎の脳を、10時間で作る」という意味でつけたタイトルなんです。 「単語」でも「文法」でもなく「フレーズ」で理解することで聞き取りも読解も早く正確にできるようになります。
またこの本の特徴としては、フレーズごとにページをめくる構成にして、フレーズごとの意味を捉えやすくしています。今までの英語の本ですと、一ページの中で行ごとにフレーズが書いてあり、下の行下の行と読むようになっていますから、ここがこの本の違うところです。
単語も中学生レベルのものが多く、読みやすいので、電車の中でちょっと勉強するのにも良いと思いますよ。

気持ちを伝えることができるのが、「英語を話せる」ということ

―ところで、日本人はあまり英語が得意でないとよく言われますが、木村さんはどうお考えですか?

私はそんなことはないと思いますね。むしろアジアのなかでは、文法もしっかりしていて、決して劣っていません。アジア系の国によく旅行に行くのですが、韓国やカンボジア、タイの人達とコミュニケーションを取ろうとすると、手段はやはり英語なんですね。彼らは、自分が伝えたい言葉を英語にすることはできるのですが、それ以上の難しいことを聞いたりすると、そこで言葉が詰まってしまって、話せない場合が多い。それでも皆さん、身体全体を使って話をしてきますよ。自分の言葉で一生懸命話そうとしているのがよく分かりますし、それで伝わってしまうんです。
だから、日本人も遠慮しないで、恥ずかしがらないで、たくさんの人と会話して、コミュニケーションをとって、数多くのフレーズに出会って慣れることも必要だと思います。

―外国人の先生がいる英会話スクールに通っている方も数多いですよね。

いわゆる“外国人恐怖症”からは脱することができるでしょう。その為には悪くない選択ですが、私は、日本語をよく知っている人でないと、日本人に英語を教えるのは難しいと思うんです。
例えば、好きな人に告白したいとき、AさんとBさんでは告白する言葉は違いますよね。「あなたのことが好きだ!」とストレートに告白する人もいれば、「ずっと一緒にいたい」と言う人もいる。「一緒に週末出かけない?」と遠回しにしか、好意を伝えられない人もいるかもしれない。
英語も同じことで、自分の言葉で話せるようになることが大切なんです。その言葉の微妙なニュアンスをくみ取って、教えることができるのは、やはり日本語に詳しい人。実際、一般的な英会話の勉強方法では、こう聞かれたらこう答えなさいという、一つの例しか挙げてくれません。文法も大事です。でも自分の気持ちを、人に伝えることができるようになるのが、「英語を話せる」ということなんだと思います。

eラーニングシステムの確立へ

―このお仕事をしていて、大変だと感じたようなことはありますか?

あまりないですね。自分が知らないことを生徒さんたちに聞かれたりすると「勉強不足だったな」と反省することは多々ありますが、大変だ、辛い、と思ったことはありません。 逆に、今度はこういうことを教えよう、こういうフレーズもあるんだ、とさらに勉強する意欲につながります。それを生徒さんたちに喜んでもらえた時が一番、充実感、達成感がありますね。そしてまた喜んでもらおうと、さらなる頑張りに繋がっていきます。生徒さんと一緒に勉強して、私自身も日々成長している感じです。

―大変お忙しそうな木村さんですが、お休みの日は何をされているんでしょうか?

読書も好きですし、映画もよく観ます。俳優さんの肉声が好きなので、字幕はほとんど見ません。英語と日本語では声のトーンが違うんですよ。ちなみに私も、英語を話すと低い声になってしまうんです。
それから、ヒップホップ系のダンスも好きで、気分転換になるし、今とても楽しんでいます。

―では最後に、これからの目標を教えてください。

私の勉強してきたことを、もっと色々な方に伝えていきたいのですが、やはり「教室」という形態では、遠方の方に足を運んでいただくのは難しいですよね。 そこで、現在ホームページを使って、オンラインレッスンができるシステムを配信しています。これだったら、低料金で提供することができるんです。このようなeラーニングとしてのシステムを、もっときちんと形作って、ビジネスとして広げていければと思っています。

インタビューを終えて

日本人にとって、英語をマスターするというのは大きな憧れです。
多くの英会話教室・マニュアル本があるにもかかわらず、自分の子供が英語嫌いにならないために「自分で教えてしまおう」と思い立った木村さんは、その時点で、並みならない発想力をお持ちなのが、おわかりいただけたかと思います。
木村さんの原動力は、「愛」。子供への愛情、生徒さんへの愛情、読者への愛情が彼女を次へと向かわせる力の源になっているのを感じました。
現状に甘んじず、英語教育の勉強、新たなビジネス展開など、木村さんの小柄な体から出るパワーは計り知れないものを感じます。これからが楽しみな、茨城の若い事業家の1人です。