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たとえ失敗しても、別の形に変えて
またチャレンジすればいい
2002/08/20 VOL.14
ideal 代表 猪狩直彦さん




猪狩 直彦
Naohiko Igari

茨城県水戸市出身。
昭和50年1月14日生まれ。A型。
好奇心旺盛な性格。影響を受けた人物は青柳祐次(Little Creatures)。
趣味は音楽鑑賞、スポーツ観戦(サッカー・バスケット)、漫画、ゲーム、インターネット、ギター。

■学歴
茨城工業高等専門学校(4年次中退)

■職歴
水戸、東京、川崎、名古屋、トロント(カナダ)などで販売・ウェイター・集配等の就職・アルバイトに就いた後、株式会社常創(水戸市)に入社。 退社後、フリーになる。


ideal
01年9月業務開始。グラフィックデザイン、Webデザイン、印刷物全般等

■mammoth
01年9月オープン。グラブ運営、イベント企画

■GiGEN graphics
01年11月結成。グラフィックデザイン、グッズ販売

■miniature cafe
02年5月オープン。カフェ運営

■お問い合わせ
TEL/FAX:029-246-9699
E-mail:igari.n@nifty.com

 








 自分探しの旅に出た 

―猪狩さんは、前回ビバ・ラ・ジョビのインタビューに登場された『K5 ART DESIGN OFFICE』の甲高さんとのユニット『GiGEN graphics』で、ミニチュア・カフェをオープンされましたが、初めてのカフェ経営はいかがですか?

会社員時代と違って、経営側になると、人任せではなく自分が全部やらなくてはならないので、ひとつひとつに対しての責任が大きくなりましたね。
何でも責任を持ってやり遂げることが大前提で、手が抜けない。そういう部分では大変でもあるけれど、夜中まで仕事をすることがあっても、会社員だった時のような不満はないんです。大抵のことがおもしろいし、楽しみながら仕事をしています。

―ミニチュア・カフェでは、経営面だけでなく、キッチンや接客も全部こなしているそうですね。

はい。なかでも僕は、接客を担当することが多いです。
居酒屋でアルバイトをしていたこともあるし、カナダにいた時は高級日本料理店でウェイターも経験したので、接客はとても興味があり好きな仕事なんです。

―カナダで生活した経験が?

ワーキングホリデーで、1年ほど滞在しました。
僕は5年制の茨城工業高等専門学校を4年目に中退した後、とりあえず何かを見つけたいと思って、東京や川崎、名古屋、そしてカナダなどを転々としたんです。他の土地は、やはり水戸と違って新鮮だったし、そういう生活も刺激的でおもしろかった。
カナダにはトランク一つを持ち、宿も最初の一週間だけ取って出発しました。あとはなんとかなるだろうと思って・・・ちょっと無謀でしたかね(笑)そのままトロントでアルバイトをしながら生活をしていました。

―外国での接客業の経験で、日本との違いを特に感じたのは?

やはり、チップ制度ですね。お客様に食事を楽しんでもらう為に、話し方はもちろん、オーダーされた料理を出す順番を、自分なりに工夫したり、あらゆることに気を配りました。そういった自分のサービスがそのままチップの金額として跳ね返ってくるので、ウェイターという仕事はすごくおもしろいですよ。
ただ、ミニチュアカフェでは自由に楽しんでもらうというコンセプトなので、また違ったサービスの提供の仕方になると思いますが、今までの経験を生かした接客をしていきたいと思っています。

 「いいものを早く」デザインすること 

―それから日本に帰って、印刷会社のDTPオペレーターの仕事に就いたんですね。それまでで、DTPの経験は?

仕事としての実務経験はありませんでしたが、僕はクラブでDJをしていて、イベントをする時に、自分でフライヤー(チラシ)を作っていたんです。
最初は文字を切り貼りしたり、写真をコピーしたりの手作りだったのですが、Macを持っている友人がいて、自由に絵を作れておもしろそうだと興味を惹かれ、DTPの仕事をしたいと考えるようになりました。専門学校に入って勉強することも考えたんですけど、会社に入って経験しながら覚えた方が早いだろうと思って、3年ぐらい印刷会社で仕事をしながら修行しました。

―会社を辞めた理由は?

最初の頃は技術をどんどん覚え、デザインをして、自分の作ったものが流通していくということが楽しくて、新鮮な気持ちで仕事をしていたんです。
でも慣れてくると、「早くいいものを」と思っていたのが、「早く」だけに偏るようになってしまって。帰りが遅くなる仕事なので、やはり早く仕事を済ませることが最優先になり、流れ作業的な「制作屋さん」になっていました。それにジレンマを感じるようになったのが、一番の理由かもしれません。
フリーでデザインをしている今は、「早く」も大事なんですけど、「いいものを」ということにより重点を置いて仕事ができるようになりました。



 クリエイティブな作業は『音楽』を通過させる 

―その後は、すぐデザイナーとしてフリーで仕事を開始したのですか?

いいえ、まず最初に始めたのはクラブハウス運営でした。
僕は、DJをやったり、バンド活動をしていて、とにかく音楽が好きなんです。グラフィックデザインをする時でも、企画する時にも、何かを自分で創造するときには、まず自分の中にある『音楽』という感性の部分を一度通過させている気がしています。それほど、僕にとって音楽というのは身近なものです。
だからちょうど会社を辞める頃、一緒にイベントを企画していたDJ達と、自分達がやりたいイベントをやるお店がないという話になって、だったら自分達でお店をやってみようということになり、クラブハウス『mammoth』を始めました。
『ideal』としてデザイン業務を始めたのは、その後ですね。

―好きな音楽に常に携わっていたい気持ちの方が、強かったようですね。

僕はいつも、音楽とかクラブイベントなどをやりながら、それに付随したもの、おもしろそうなものを探しているようなところがあるんです。『GiGEN graphics』も、たまたまクラブで甲高くんに会って、一緒に何か始めようということになりました。

―猪狩さんが甲高さんとユニットを組もうと思ったのには、何か特別な理由があったのでしょうか?

甲高くんは考え方もおもしろいし、僕が音楽を通じて今までやってきたようなノリで、アートとかデザインの仕事をしているんです。そういうところで共通部分があったんでしょうね。性格は全然違う2人なんですけど(笑)
趣味も仕事もごっちゃになってるけど、僕がやってきたこと、彼がやってきたことを組み合わせたらもっと大きいことができるんじゃないかと思いました。

 悩むよりも、形にするための行動を 

―好きなことを、着実に実現していく強さと行動力が素晴らしいですね。

僕はただ、昔から思っていたことを自分なりに追いかけ、勉強してきただけです。今の時点では、まだ成功したとは言えないけど、ちょっとずつ形になってきていることは実感しています。
仮に失敗したとしてもまた別の形に変えてチャレンジしていきたいし、自分らしさを大切にして仕事をしていけたらいいなと思います。やりたいことが見つかったらあれこれ悩んでいるよりもまずどうやったらこれができるかを考えて、形にする為に行動します。興味を持ったらそこに飛び込んでいくだけです。

―考えているより行動するタイプなんですね。そんな猪狩さんの将来の夢は?

今の仕事・・・『ideal』としてのデザイン業務、『GiGEN graphics』としての甲高くんとのデザインユニット、『miniature cafe』のカフェ運営、『mammoth』でのクラブ運営・・・この4つをしっかりと形にしていきたいですね。
それぞれはバラバラであるように見えて、僕の中ではつながって共通している部分が多いんです。続けるにはバランスが大事だと思いますが、これだけに留まってしまわないで、他にもおもしろいことがあったらどんどん挑戦していきたいです。





 

 


インタビューを終えて

前回インタビューに登場してくれた甲高さんとユニットを組み、共同でカフェ経営を行っている猪狩さん。一見、本当にタイプの違う2人です。甲高さんが『動』の人だとしたら、猪狩さんは『静』の人。インタビュー中も、ひとつの言葉を誠実に丁寧に語ってくれた姿が印象的でした。
しかし、一見守りに入りそうなタイプに見えて、行動力は抜群なのです。「これだ」と思ったものを、素早くものにする才能がある方だと感じました。その、常にチャレンジしていくというスタイルが、猪狩さんと甲高さん、2人に共通した部分なのでしょう。

こんな素敵な2人がプロデュースする「ミニチュア・カフェ」に、みなさんも行ってみたくなりませんか?(モリ)

⇒ミニチュア・カフェの案内ページへ
⇒「K5 ART DESIGN OFFICE」甲高美徳さんのインタビューページへ