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自分探しの旅に出た
―猪狩さんは、前回ビバ・ラ・ジョビのインタビューに登場された『K5
ART DESIGN OFFICE』の甲高さんとのユニット『GiGEN graphics』で、ミニチュア・カフェをオープンされましたが、初めてのカフェ経営はいかがですか?
会社員時代と違って、経営側になると、人任せではなく自分が全部やらなくてはならないので、ひとつひとつに対しての責任が大きくなりましたね。
何でも責任を持ってやり遂げることが大前提で、手が抜けない。そういう部分では大変でもあるけれど、夜中まで仕事をすることがあっても、会社員だった時のような不満はないんです。大抵のことがおもしろいし、楽しみながら仕事をしています。
―ミニチュア・カフェでは、経営面だけでなく、キッチンや接客も全部こなしているそうですね。
はい。なかでも僕は、接客を担当することが多いです。
居酒屋でアルバイトをしていたこともあるし、カナダにいた時は高級日本料理店でウェイターも経験したので、接客はとても興味があり好きな仕事なんです。
―カナダで生活した経験が?
ワーキングホリデーで、1年ほど滞在しました。
僕は5年制の茨城工業高等専門学校を4年目に中退した後、とりあえず何かを見つけたいと思って、東京や川崎、名古屋、そしてカナダなどを転々としたんです。他の土地は、やはり水戸と違って新鮮だったし、そういう生活も刺激的でおもしろかった。
カナダにはトランク一つを持ち、宿も最初の一週間だけ取って出発しました。あとはなんとかなるだろうと思って・・・ちょっと無謀でしたかね(笑)そのままトロントでアルバイトをしながら生活をしていました。
―外国での接客業の経験で、日本との違いを特に感じたのは?
やはり、チップ制度ですね。お客様に食事を楽しんでもらう為に、話し方はもちろん、オーダーされた料理を出す順番を、自分なりに工夫したり、あらゆることに気を配りました。そういった自分のサービスがそのままチップの金額として跳ね返ってくるので、ウェイターという仕事はすごくおもしろいですよ。
ただ、ミニチュアカフェでは自由に楽しんでもらうというコンセプトなので、また違ったサービスの提供の仕方になると思いますが、今までの経験を生かした接客をしていきたいと思っています。
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「いいものを早く」デザインすること
―それから日本に帰って、印刷会社のDTPオペレーターの仕事に就いたんですね。それまでで、DTPの経験は?
仕事としての実務経験はありませんでしたが、僕はクラブでDJをしていて、イベントをする時に、自分でフライヤー(チラシ)を作っていたんです。
最初は文字を切り貼りしたり、写真をコピーしたりの手作りだったのですが、Macを持っている友人がいて、自由に絵を作れておもしろそうだと興味を惹かれ、DTPの仕事をしたいと考えるようになりました。専門学校に入って勉強することも考えたんですけど、会社に入って経験しながら覚えた方が早いだろうと思って、3年ぐらい印刷会社で仕事をしながら修行しました。
―会社を辞めた理由は?
最初の頃は技術をどんどん覚え、デザインをして、自分の作ったものが流通していくということが楽しくて、新鮮な気持ちで仕事をしていたんです。
でも慣れてくると、「早くいいものを」と思っていたのが、「早く」だけに偏るようになってしまって。帰りが遅くなる仕事なので、やはり早く仕事を済ませることが最優先になり、流れ作業的な「制作屋さん」になっていました。それにジレンマを感じるようになったのが、一番の理由かもしれません。
フリーでデザインをしている今は、「早く」も大事なんですけど、「いいものを」ということにより重点を置いて仕事ができるようになりました。
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