その国に合った最適な方法で仕事を進めます
―現在は、日本とタイを行き来する生活をされているそうですが、お仕事内容をご紹介ください。
タイでは、タイ王国工業省標準局(日本でいうJIS規格を設定するところ、タイではTIS規格という)で、職員に品質管理について指導したり、標準局で選んだ民間のモデル企業へも同じく指導をしています。また、今月から客員教授としてタイのチェンマイ大学で品質管理について講義を行うようになりました。このように1ヶ月の半分はタイで過ごし、残りは日本でコンサルタントの仕事やタイで使う資料の準備などをしています。
毎日忙しくできるからこの仕事は好きですよ。暇な時って、良いアイデアが出てこないですから。忙しくしてる方が自分に合ってるので、今がベストな状態ですね。
―それだけタイで過ごされると、一般の観光客として訪れる私達と違って、タイのローカルな面に触れる機会もあると思うのですが、菊池さんから見たタイの人の印象は?
タイの人は我々が思っている以上に謙虚さがあって、良い意味でのしたたかさもあります。我々日本人が忘れてしまった礼儀や作法なども残っていて、日本の若者がタイに行ったら、現地の人から学ぶところはたくさんあるのではないでしょうか。同じお米を食べる民族だし、基本的な考えは日本人と変わりませんよ。最近では、日本人よりもASEAN諸国の人の方が勤勉かもしれませんね。
―海外で仕事をされると大変なことも多そうですが、気をつけていることはありますか?
ASEAN諸国での仕事の会話は英語を使うんですが、お互い母国語ではないので、専門用語だと解釈にギャップがでてしまうことがあり、その辺の言葉の壁というのは難しくもありますね。でも、指導する立場の僕としても、得るものや教わることもたくさんあるし、楽しく仕事をさせてもらってます。一番気をつけているのは、こちらのやり方を押し付けないことです。押し付けがましくやっても相手が長続きしないし、国によって習慣や国民性も違いますから、その国のその場に合った最適な方法で、仕事を進めていくようにしています。
―組織の中で働くご経験もされてきたわけですが、独立の道を歩まれた今、どのように感じられますか?
組織の中で才能を活かせる、泳がせてくれる場があればよかったんですけどね。今のコンサルやJICAでの専門家というポジションは、自分のキャラクターや才能などをフルに活かすことができて、僕に合っているのだと思います。独立するということは、組織という頼れる看板もなく、自分の看板だけを背負ってやっていかなければなりません。今では仕事上でのパートナーが何人かいますが、まだ1人で仕事をしていた時は、大組織ではできない小回りを利かしながら自分の看板だけでやってきました。ここまで築き上げたことが、信念を持ってやれば自分でもできるんだ、という自信になりましたね。
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