HOME > This week pick up > 『ビバ・ラ・ジョビ』バックナンバー


分かっているのは
「好き」ってことだけなんですよね
2003/11/6 VOL.22
創作居酒屋 遊心 海老根史彰さん


海老根 史彰
Fumiaki Ebine

茨城県水戸市出身。
S50年6月24日生まれ。AB型。
趣味は、友人との野球。ご自身の性格は「おだやかでめったに怒りません。まるで仏のようです(笑)」

■学歴
赤塚中学校卒〜水戸農業高等学校卒

■職歴
山口楼〜鍛屋(店長職)〜とり七(店長職)〜現在のお店・遊心を開店

遊心
yuushinn

平成14年5月設立。
創作居酒屋。魚介類を中心とした創作和食が、リーズナブルに味わえます。テーブル・座敷・カウンター…幅広いニーズにお応えできます。

■MENU
おすすめは、一日3〜4食限定の手作り豆腐。
宴会コース2,500円〜4,000円+2,000円で90分飲み放題
豚トロ煮850円/旬の刺身680円〜/そら豆の釜ゆで600円/カクテル・サワー480円〜

■営業
16:30〜翌2:00、不定休

■所在地
水戸市宮町1-3-25まるよねビル2F
TEL:029-233-3618

 

 






小学校の高学年から「この道なのかも?」 

―お店を始めたきっかけを教えてください。

高校を卒業してから、ずっと飲食業の仕事をしてきました。というのも、料理を作ることや人との出会いもあるこの仕事が楽しかったんです。もともと好きだったんでしょうね。独立したら、お客さんが入りやすい庶民的なお店を作りたいと思って、昨年5月に「遊心」をオープンしました。

―飲食業に興味を持ったのはいつ頃からでしょうか?

両親が共働きだったので、冷蔵庫にあるもので適当に作るくらいでしたが、昔から自分でご飯を作ったりすることもあり、それが楽しかったんです。多分、小学校の高学年ぐらいから「この道なのかも?」って思い始めて、高校のときにはもうこの仕事しかないって決めていましたね。

―実際、独立してお店を持ってみてどのように思いますか?

社員として働いていれば、生活はひとまず安定するけど、上に行けるラインって決まってしまいますよね。自分で経営するとなると、全て自分の責任になるし、生活もかかってきますから、緊張感もプレッシャーも大きくなります。それでも独立したら、ここまでというラインを超えられるかもしれません。可能性が無限大に広がっているんです。どこまでいけるかっていうのは自分次第ですから、少しでも可能性があるのなら、それにかけたいと思ったんです。


僕の方では常に安定した気持ちで 

―接客で気を付けていることなどはありますか?

お客さんの方では、楽しくお酒を飲もうと思って来る方もいれば、やけ酒の方もいたりと、いろいろな気持ちを抱えてここにいらっしゃるので、僕の方では常に安定した気持ちで接客をするように心がけています。また、お客さんがどんなものを食べたいのか、何を飲みたいのか、先を読んで接客をしたり、メニューに載ってない料理でも、要望があればできる範囲で作るようにもしています。大きなお店じゃないし、小さいお店だからこそできることをしようと思っています。


この場所に椅子を置いても、お客さんの顔が僕のところから見えない 

―カウンターがあるのに椅子がない場所があるのですが、なぜでしょう?

この場所に椅子を置いても、お客さんの顔が僕のところから見えないんです。どうしても必要な時には椅子を出しますが、できるだけお客さんの顔が見えるようにしたいので、ここには席を作らないようにしているんです。それに、来てくれたお客さんには、ゆっくりと食事をしていってほしいから、合い席もしないようにしています。お店に入れる人数は限られてしまいますが、ゆとりを持って楽しんでもらいたいですからね。


ゲームだったらどうしたらいいんだろうって 

―「遊心」というお店の名前はどのように考えられたんですか?

これは自分の気持ちなんです。自分にとっては人生も仕事も、例えにするとゲームなんです。仕事をしていると暇な時もある、ゲームだったらどうしたいいんだろうって考えて、ビラを配るとか実行していく。どうしようじゃなくて、この先どう攻めていけばいいんだろう、最終的にどうやってゴールすればいいのかな、ってゲーム感覚で考えるんです。こう言うと、軽い考えだと思われてしまうかもしれないけど、決してそうではないのでその辺よろしくお願いします(笑)

―とてもユニークな考え方ですね。ゲームの中にも浮き沈みはあるのでしょうか?

もちろん落ち込んだりすることもありますよ。あるけど「明日があるじゃない」って考えます。こういう時代だし、良い時も悪い時もあります。あとは運だと思うんですよね。実際、腕が良くても、お金があってもお店を出せない人もいるし、運もあるんだと思うんです。僕はラッキーなことにお店を出すことができたので、後は体が動く限りゲームを続けていくだけですよ(笑)



時々、仕事か趣味か自分でも分からなくなる 

―同じ職業を目指す人にアドバイスをお願いします。

やるときは腹をくくってやることでしょう。迷いがあるんだったらやめたほうがいいです。この道でやっていくんだ、と一度決めたら自信を持ってスタートするべきでしょうね。やっていくうちに、必ず自分のお客さんができてきますから。そういうお客さんを大切にしていけば、お客さんの輪は広がっていくと思います。

―海老根さんにとって仕事とは?

仕事とプライベートとバランスよくやっているのかもしれないですね。今は月2回くらいしか休めませんが、休みが無くても不満じゃないんです。もちろん1人になりたいっていう時もあるけど、なんか寂しくなって仕事したくなっちゃうんです。僕の場合は、月1日休めばそれで十分なのかもしれません。きっと自分のペースでできるから楽なんでしょうね。数字的なものも残さないといけないけど、やればやるだけ結果はついてきますから。時々、仕事なのか趣味なのか自分でも分からなくなるときもあるんです。分かっているのは「好き」ってことだけなんですよね。

―好きなだけではなく、努力をしてきた結果がこのお店なんですよね。

自分では努力したとは思ってないんです。やらなければできないわけですから、努力をして当たり前なんです。僕の場合は、仕事が苦じゃなかったから、みんなが努力と思う部分でも努力とは感じませんでしたね。


ぜひこの仕事の楽しさを教えてあげたい 

―今後は、どのように展開していきたいと思いますか?

今のお店みたいに小ぢんまりしたお店をいくつか作りたいと思っています。大きなお店じゃなくていいんです。お客さんが近くに感じられるお店を広げていきたいですね。

―お店を広げていくために求める人材は?

やる気があって、料理が好き、人付き合いが好き、自分で独立してみたい、そんな気持ちを持っている人ですね。必ずやってみせるという意欲、この仕事しかないって思える人が理想です。そんな人と出会えたら、ぜひこの仕事の楽しさを教えてあげたいですね。

 



 

 





インタビューを終えて

小学生のときに、自分の進むべき道を見つけてしまったといいます。一体どれくらいの人が、小学生で自分の道を見つけることができるのでしょう?「好きなことだから努力を努力とも思わなかった」、「休みがなくても平気なんです」ともおっしゃっていました。今仕事をしている人の中で、何人の人がこのように思うことができるでしょう?
小さい頃の夢を現実にして、生き生きと仕事をしている海老根さんはとてもラッキーな方です。そのラッキーな運は決して偶然ではなく、前向きで明るい気持ちがそうさせたのだと思います。海老根さんなら、どんな困難でもきっと乗り越えてしまうでしょう。ハキハキとした元気で明るい声を聞いて確信しました。
海老根さんが語ってくれた言葉のひとつひとつが心に響き、仕事に対する取り組み方について改めて考えさせられる機会となりました。良いお話が聞けて私もとてもラッキーです!ありがとうございました。(さる子)