HOME > This week pick up >  ビバ・ラ・ジョビ バックナンバー
FMぱるるん


 人間って、失敗があるから人間なの。    
完璧だったらつまらないでしょ。
2004/08/26 VOL.30
水戸コミュニティ放送株式会社 代表取締役 小川啓子さん


小川 啓子
Keiko Ogawa

横浜生まれ、広島育ち。
8月11日生まれ。

■職歴
 ○東京の大学を卒業後、茨城放送にアナウンサーとして入社
 ○平成10年4月 水戸コミュニティ放送株式会社に放送局長として入社
 ○平成14年 代表取締役就任

■ご自身の性格
 負けず嫌い

■趣味
 読書・仕事一筋

■影響を受けた人物
 両親

■影響を受けた本
 中国の歴史書(人物)

水戸コミュニティ放送株式会社
(FMぱるるん)
〒310-0841
茨城県水戸市酒門町1261-6
TEL:029-248-2727
FAX:029-248-9839

 FM Palulunは、地元に密着した小回りのきく地域情報をたくさん発信しています。
 水戸市内を中心に、ひたちなか市、那珂町、茨城町、大洗町、内原町の一部で受信できます。

http://www.fmpalulun.co.jp/





 この仕事を辞めたいと思った事は一度もない 

―以前は茨城放送でアナウンサーをされていたそうですね。

 大学を卒業して、すぐに茨城放送(IBS)に入社しました。
 それから20数年、看板アナウンサーとして県内のイベントや情報などを、ラジオを通して皆様にお伝えするというお仕事をさせていただきました。

―アナウンサーとして大変ご活躍されましたが、苦労されたことなどは?

 私の仕事は県内全域が対象ですから、現場が遠かったりすると朝早く出かけなければなりませんし、逆に深夜まで仕事ということも多々ありました。でも、根本的にこの仕事を辞めたいと思った事は一度もありませんね。
 もちろん壁にぶち当たったこともありましたが、一度もアナウンサーという仕事を嫌いになった事がないんです。それは今現在でも一度も思ったことがありません。
 人間って生まれてきた時に、何か使命を持って生まれてくると思うんですが、私の使命は電波を通していろいろな情報を皆さんにお伝えすることなのかなって。ですから、使命を与えられた仕事に巡り逢えたから今までやっこれたのだと思います。

ぱるるん打ち合わせ風景

―そう思える仕事に出会えてとてもラッキーですね。

 やはりいい人達に助けてもらっているし、恵まれているんだと思います。
 茨城放送では、大学を出たばかりの右も左も分からない私にいろいろな仕事を与えてくれましたし、私が今の会社をやっていられるのも、その時に培ったものが助けてくれているんです。いろいろな事をやらせていただいてとても感謝しています。

 主人が私に内緒で作ってしまった 

―FMぱるるんを設立された経緯を教えてください。

 正式名称が「水戸コミュニティ放送株式会社」と言います。
 コミュニティ放送って必ずニックネームをつけるのですが、そのニックネームが「FMぱるるん」なんです。
 実はこのコミュニティ放送は、私の主人が立ち上げた放送局で、彼は今公務員をしていますが以前は茨城放送のディレクターをやっていたんです。公務員になってからも、どうしてもラジオを捨てきれなくて、規制緩和でコミュニティ放送局が作れるという状況になったとき、私に内緒でこの会社を作ってしまったんです。

―打ち明けられたときのご感想は?

 もちろんびっくりしました。
 でも主人にしてみれば、これからメディアの時代だというのに、茨城にはテレビ局もFMのラジオ局もありません。せめて自分が暮らしている水戸の情報を発信して地域貢献をしたいという気持ちが強かったんでしょうね。
 最初は驚きましたが、主人が始めたことに協力したいと思い現在に至ったわけです。

ぱるるんスタジオ

―ぱるるんの放送はどのような体制でやられているんですか。

 うちの社員とアルバイト、また東京のフリーアナウンサーの方にも来てもらっています。
 あとは、皆さんボランティアで手伝っていただいてるんです。お仕事を持っている方、主婦の方、学生さんまで、ボランティアで番組に携わっていただいてる方が140名ほどいます。番組を担当したり、ミキシングの機械操作やおしゃべりをお願いしています。

―ボランティアの方の中には、話すことが苦手な方もいらっしゃるのでは?

 そうですね、中にはおしゃべりが難しいとか、マイクを向けられて緊張してしまう方もいます。
 そんな時は「一升の枡に二升のお水は入りません」って言うんです。
 ありのままでいい、ということです。それを無理に二升入れてかっこよく思ってもらいたいとか、失敗しないようにしなきゃとか、誰もプレッシャーかけてないのに自分でプレッシャーかけてしまうんです。そうすると余計ガチガチになってうまくいきません。
 本当は、本来その人が持っている、そのままの伸びやかさでお話をすればいいだけなんですよ。

―スタッフを育成するコツなどありますか?

 やはりその人を認めることだと思います。
 一人一人の良いところを見つけ出す、そして全幅の信頼をおくこと。誉められて悪い気する人はいませんから、10のうち8つぐらいは誉めて2つくらいは注意する、誉めて育てたいですね。
 どんな仕事でも最初はみんな素人なんですよ。年数を積み重ねることで上手くなっていくわけですから、それはうちのパーソナリティにも同じことが言えます。
 だから、最初から上手にしゃべろうなんて思わなくていい。失敗しても平気、大いなる失敗を楽しみなさいって言います。
 人間って、失敗があるから人間なの、完璧だったらつまらないでしょ。でき損ないくらいのほうが人間らしくていいじゃない?


 コミュニティ放送は見えるラジオ 

―FMぱるるんの魅力は?

 狭いエリアのメディアだからこそ、場所を言っても聴いてる人が「ああ、あそこね」と分かりますよね。どこの人がしゃべってるかが分かり易い。あそこの奥さんだとか、あそこのお子さんが放送に出てたよ、とか声だけでも見えますよね。
 小回りの利いた情報が出せるというところです。
 それから、ボランティアスタッフの方がこれだけたくさん参加して下さってますから、良い仲間がどんどん増えていきます。
 ラジオって音しかないけど、コミュニティ放送は見えるラジオと言ってもいいと思います。やっていてほんとに面白いですよ。

―将来的な展開は?

 コミュニティ放送というのは、大きくできるような放送局ではないんですよね。
 ですから、どれだけ地元に密着して、地元の方々に有益な情報をお届けしていけるか、っていうところが勝負だと思うんです。
 情報を発信するにも、私たちが気が付かない視点というのがまだまだたくさんあるんです。それは、商店街の活性化の問題にしてもそうですし、水戸だってすごくいい観光地だし売れる素材がたくさんあるのにうまく機能していません。
 そうした情報を発信できる基地として、ぱるるんが存在して水戸を盛り上げたいと思います。

ぱるるんスタジオ

―そのためには地元企業の協力も必要ですね。

 これからの企業は、どれだけ地域に貢献していけるか、住んでいる人たちの心地良いスペースや状況を作り出していってあげられるかっていうことで大きく変わってくると思いますよ。
 人の幸せはみんなの幸せ、みんなの幸せは一人の幸せなんです。自分だけ良くなろうと思っても決して良くなりません。
 皆さまのおかげ、という感謝の気持ちを持っている企業じゃないと、これからは生き残っていけないんじゃないでしょうか。

  仕事には前向きで。だって、その仕事がかわいそうですから 

―転職を考えている人へアドバイスをお願いします。

 どんな人を採用したいかと聞かれたら、まずは素直な人ですよね。
 ひとこと言ったら全て分からなくていいけど、半分ぐらいまでは先を読める人、気が利くっていうのかしら。
 経営者という立場から言えば、仕事に前向きで失敗を恐れず、その仕事を好きになろうって前向きに努力をする人が欲しいと思う人材です。だって、好きじゃないと思ったら伸びませんから。好きになろうって努力をしないと覚えられない。いやだと言い続けているんだったら、辞めたほうがいいでしょうね、その仕事がかわいそうですから。

 ここには、よく子供たちが職場体験で来るんですけど、これからは3度の飯より好きだっていうことを職業にしなさい、って言うんです。これやってたら時間が経ってもご飯食べるのを忘れちゃうっていうものを職業にするといいよねって。意に反してあまり好きじゃない仕事に就いたら、その仕事を好きになる努力をしてみなさいって。だってどんな職業にも良いところは必ずあるんですもの。
 自分が喜びを感じられるところがあるか、それが一つの基準になると思います。一つでも喜びを感じられるのだったら、努力をすればその仕事を好きになれると思います。

―ありがとうございました。

ぱるるん社屋