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優勝する時ってわかる。頭に描ける。
―「かけ引き」というか「クラッシュギリギリ」って、同じ瞬間にで相手のレーサーも分かるわけですよね。「職場の仲間」というのか「同業者」というのか、他のレーサーで、意地悪な人っているんですか?
いますいます。危ないのいますよ!天然で危ないのと、天然じゃなくて危ないのいますよ。
天然で危ない人は周りが見えてなくて、単に慣れてなくて我が道を行くタイプ。危ないけどそれならいいんですよ。
故意に危ない人います。できるだけ会わないようにしたりします。いやだけど、仕方ないですよね。多分相手もそう思っているだろうし。あんまりひどいとオフィシャルさんが見ているのでペナルティになりますが、ペナルティになるかならないかのところで邪魔されたり幅寄せをされたりしますから。
なぜか知らないけど日本人はレースの世界ではフェアすぎる面もあるんです。特に僕らのカテゴリだと。この辺だとかなりフェア、だから僕も合わせなきゃいけない。GTとかだったらぶつけちゃうぞ、っていうところも周りがフェアだと、空気が読めないドライバーになるとまずいので、その流れに合わせるとか。その辺も難しいですけどね。
なぜフェアかというと、多分タイヤが出てるか出てないかで、GTはぶつけてもタイヤ同士がほとんど当たらないんです。フォーミュラカーだと、前の車の後タイヤに自分の車の前タイヤがぶつかると回転と回転がぶつかって、その衝撃でドンと何十メートルも飛ぶんです。ドカンって。そういうのでたぶんフェアなんだろうなって思います。
―実際に「飛んだ」ことはあるんですか?
雨の日に、百何十キロで普通にスピンしてドン!ってことはありますね。脳震盪とか意識が飛んだり、頚椎捻挫とかありますね。
―レースの前の晩、不安感とか眠れないとかありますか?
最近はないですね。バタンっと寝ちゃいますね。でも、F4のチャンピオンがかかっていたりすると、落ち着けなかったりとか、自分でいろいろ作業をしなきゃいけないので、疲労感で眠れる利点はありますね。
―「勝つイメージ」などは、メンタル的な部分でどうコントロールしますか?
予選の時点で決まりますね。優勝するときってわかる。頭に描ける、イメージできちゃうから、その通りにやると優勝する。予選が2位だったりだと不安になりますよね。
ずっと3連勝してて、第4戦で勝てば決まるって状況だったんですが、その週に車が巻き込まれて壊れてしまって、車を直して2番手だったんですけど、技量的に勝てるんだけど、つくばサーキットのコースレイアウトはもてぎみたいに直線が長くないんですよ。つくばは短くて、横まで並ぶけどすぐコーナーがきちゃう、25週ずっと抜けない状態で、「ああ」って思って結局2位だったんですが、そのときは読めなかったですね。
―そういう時って、次は抜こうって前向きに考えているんですか?途中でダメかなと思ったりしますか?
最後まで諦めないですね。ちょっとでも前がミスしたら自分は抜けるので真後ろにいて、自分はミスしないように走ります。
それでいろんな抜き方を考えるんです。どんどんブロックをすればするほど、前の車はペースが落ちてくるんです。マージンを取って入ってくるんで。今度は内側から抜いていたのを逆に外側からというふうにフェイントかける。前の車はバックミラーで見てるので。どんどんフェイントをかけて、相手のミスを誘っていたんですが、大きなミスがなかったので抜けなかったですね。だいたいそこまでプレッシャーかけるとミスするんですけど、相手のドライバーもそこで負けたらチャンピオンの資格がなくなるんで、必死だったみたいですね。周りには、もう二度と一生あんなレースはしたくないと言ってたようです。
やれる範囲で最大限のパフォーマンス
―心がけ、大切にしていることは?
できる限りのことをする。与えられた環境の中で、できるだけのパフォーマンスをすることは心がけていますね。
決して裕福な状態で最初からレースを始められたわけではないので、人より車が劣っている時期もあって、GTも実際そうなんですが、F4はかなり良い車を用意してもらっているんですけど、GTは自分が言える範囲ではないので、性能が劣っている状態で自分がどこまでいけるか、やれる範囲で最大限のパフォーマンスをしようと心がけています。
―当面の目標は?
2004年よりも上のカテゴリーで走りたい。フォーミュラニッポンに限らず上のカテゴリーっていっぱいあるんですよ。F3もありますし、選択肢はいろいろあって、海外っていうのもあるし、とにかく現状よりは上にいきたいなっていうのがあります。
―最後に、いろんな場面で就職・転職を考えている方たちにメッセージを。
後悔のない人生を送ってもらいたいのが一番言いたいことですね。失敗をしてもいいと思うので。
特に20代前半の方はいろいろやってみたほうがいいんじゃないかなと思います。失敗をして分かるとか、失敗をして納得がいくんだったら何でも挑戦してみればいいんじゃないかな、と。
やってみたい仕事が自分ではちょっと無理かなって思うことでも、多分成功の秘訣って、自分がいけるかなって思うことよりちょっと上のことをすることじゃないかな、と思うんです。そうすると自分がすごく伸びられると思います。若干の背伸びですよ。背伸びし過ぎて足がつってしまうとしょうがないので、若干の背伸びをしたほうが後々後悔のない人生を送れるんじゃないかなと思います。
―その「若干の背伸び」の判断が難しいですよね?
イメージ的には足がつらない程度です。でも20代だったらコケてもいくらでもあるんじゃないのかと思うんですけど、30代でもそれは言えると思うけど、特に20代の方ですね。希望をもってやってもらいたいですね。
―貴重なお話を、ありがとうございました。
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