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どんな時でもとりあえず笑顔、ですね。
明るい顔をしていた方が、
人は好感を持って集まって来てくれると思うんです。

2005/06/06 VOL.35
気象予報士 藤井南美さん

藤井 南美
Nami Fujii

神奈川県茅ヶ崎市出身

■学歴
 神奈川県立茅ヶ崎北陵高校 卒
 慶応義塾大学総合政策学部 卒

■職歴
○ウェザーニューズ社に8年間勤務:主にテレビラジオ等放送局の気象コーナーを担当
○H12/4〜16/3:NHK気象キャスター
○H16/4〜:フリーランス 

■趣味
 ダンス・スペイン語・ワインを飲むこと

■ご自身の性格
 「凛としている」とよく言われます。

■blog:
 なみなび.com http://naminavi.cocolog-nifty.com/blog/

 

 
















お弁当などの仕入れ、     
    ディズニーランドの花火だって・・・

―昨年まで、気象キャスターとしてご活躍されていた藤井さんですが、この道を選ばれたきっかけは?

 もともと、声を出して何かを読んだり話をしたりすることが好きで、将来は声を使って何か伝える仕事をしたいと思っていました。
 就職活動では、アナウンサーの試験を受けたりもしたんですが、試験を受けていく中で、「でも、果たして自分は声を使って『何を』伝えたいのか?」と改めて考えたら、何か専門性が必要だと思って。
 その頃にちょうど、大学の求人募集で、前々から気になっていた気象会社の会社説明会の案内を見かけて、その中に、お天気キャスターという職種があったんです。そこで、ふと自分の伝えたい『何か』が、お天気でも良いかなって。
 すごく単純な理由なんですけど、それでお天気を専門にしようと思ったんです。

―それで「ウェザーニューズ社」に入社されたんですね。

 去年(2004年)の春までの8年間勤務していました。
 ウェザーニューズ社は、主にテレビや新聞、ラジオなどのメディアに気象情報を提供したり、一般企業への気象に関するコンサルティングサービス、お天気画面のシステム制作をしたりするなど、気象に関するあらゆる情報を取り扱っています。
 お天気って、スーパーやコンビニ等の流通関係でもお弁当などの仕入れに影響するし、農業、船のルーティング、ディズニーランドの花火だってお天気に左右されますから、様々なところで必要とされているんです。

―お天気キャスターとしてご活躍されたのはいつ頃から?

 入社後半年は、営業の仕事をしていたんですが、その後、メディア部門に異動になって、ラジオの気象情報を担当するようになりました。それから、ケーブルテレビにも顔を出すようになって、平成12年からは4年間、NHKの「ニュース7」という、夜7時からのニュースの中で気象情報を担当させていただきました。

お天気の勉強は理系っぽくて   
   男性向きかもしれないけど・・・

―お仕事の魅力や難しかったことは?

 声を使って何かを伝える仕事がしたいと思ってきたので、それを実現できたことはとても良かったなって思います。
 自分が話すことで、人がワクワクしたり、ドキドキ心を動かされたり、ちょっと得したなって思ってもらえたら嬉しいですよね。実際、反響やお礼の声をいただけることもあり、そんな時は、とてもやり甲斐や魅力を感じます。
 逆に難しいのは、視聴者の方の中には色々なバックグラウンドをお持ちの方がいらっしゃるので、私の何気ない一言で、傷ついたり、気分を害してしまったりする方もいらっしゃるかもしれない。その辺はすごく気を使うし、難しいところですね。例えば、「今日は晴れて良い天気ですね。」と言っても、日照り続きで雨を心待ちにしている農家の方にしたら、良い天気ではありませんから、「晴れ」が全ての人にとって良い天気とは限らないんですよね。ですから、「今日は行楽には良いお天気ですね。」とか「運動会日和です。」とか条件をつけるなど、表現の方法を工夫するよう心がけていました。

―気象予報士の試験は、平均合格率が6%前後と非常に難しい試験のようですが、勉強は大変ではありませんでしたか?

 昔から、お天気のことが好きで、勉強を続けていた人にはそうでもないかもしれませんが、全然知識がなかったり、これまで関心がなかったという人には大変かもしれませんね。私は大変でした。何度も受けました。最後は意地でしたね(笑)。未だに本当に取ったのかなって思うんですけどね。

―やはり仕事柄、いつもお天気のことが気になってしまったりするのでしょうか?

 現役の時はいつもマックスでしたね。
 毎日、本番まで明日の天気のポイントは何だろう、何を話そう、番組が終わっても明日はどんなネタをやろうかなって。もちろん、今でも関心はありますよ。今年は桜が遅いな、とか、空を見て、今日は雲が違うなって。
 自分でもちょっとな・・・と思うのは、例えば、友達に「晴れて気持ち良いね」と言われた時、まず天気図が思い浮かんでしまうところ。「ああ、今日は高気圧に覆われているんだ。」ってとっさに考えちゃうところが、自分でも情緒ないなって思ってしまいます(笑)。
 でも、季節の移り変わりには敏感になりました。旬のものに対しても。例えば、春なら真っ先に出てきたソラマメとか山菜とか、季節のものはなるべく食卓に取り入れたいし。お天気の勉強は理系っぽくて男性向きかもしれないけど、四季の折々、日々を表現していくという意味では、細やかな神経を持った女性にも、割と向いている仕事なのかなと思います。


やっぱりフリートークは難しいですね

―やり甲斐を持ってお仕事をされてきたと思いますが、退職することに迷いはありませんでしたか?

 私の場合、転居に伴う退社なのでやむを得なかったという面もありますが、何でも始まりがあれば終わりがありますからね。もともと一生同じ会社にいるとも思っていなかったので、あまりどうってことはなかったです。
 好きでしていた仕事だったので、終わるのは、やはり寂しかったですよ。でも、NHKにいると規制されて出来なかったこともあったので、これからは色んなことに挑戦出来るんだな、という開放感もありました。

―茨城に来て1年になりますが、現在の活動は?

 この1年は、主にお天気についての講座や、講演などを依頼されることが多かったですね。講演の内容は、お天気そのものについてというより、「お天気に関わる仕事」についてとか、「気象予報士としての私」とか、「女性の仕事について」などです。
 今年2月、子供たちに、仕事に対して意欲や夢を持ってもらおうとお子さん向けの講演があったんですが、意外にも大人の方の参加が多く、反響も大きかったので驚きました。
 ある方に、今、大人こそ、こうした話が聞きたいのでは、と言われ、ハッとしました。大人だって、誰もが100%満足して現在のお仕事をされている訳ではありませんから、何かに迷ったり、立ち止まったりした時に、「この人はどうしているのだろう?」と、何かしら参考に出来る材料があることは、とても意味があることなんだなと思いました。

―実際に、茨城に住んでみて感じたことありますか?

 茨城って、話を聞くとすごくお宝が埋まっているんですよね。日本で初めてラーメンを食べたのは黄門様だそうですし、野菜や果物などの生産だってすごく多い農業大国ですし、そういうことを他県の人は意外と知りませんよ。茨城の人も、それを特に広めなくても、という感じがあるのかな。それって、県外出身者としてはすごくもったいない!!と思ってしまいます。
 茨城は、たくさんアピールできる部分があるのだから、もっとアピールしたらもっとイメージアップするのでは、と思いますね。

―4月からFMぱるるんで番組が始まったそうですね?

 毎週火曜日の17時から3時間、番組を担当させていただいております。最初は多少緊張しましたが、楽しくやらせてもらっています。でも、やっぱりフリートークは難しいですね。3時間も担当すると、幾ら繕おうとしても、素の自分が出ちゃうし(笑)。
 その他、イベントや披露宴の司会も始めたばかりです。全部「声」を使って伝えるお仕事なんですが、お天気キャスターとラジオのパーソナリティーは違うし、司会も全く違います。それぞれにそれぞれの「極意」があって、やってみると初めて気づくことが多くて、すごく勉強になりますね。フリートークも難しいけど、もっと上を目指さなきゃって思うから頑張る楽しさがあるし、全部、勉強の最中。それがまた楽しいですね。

―とても前向きで向上心があるんですね。

 すごく楽天的なんですよ(笑)。

やっておいて後に結びつくことって   
         絶対にあります

―そんな藤井さんでも落ち込んだりすることあるんでしょうか?

 落ち込む時は、とりあえず落ち込みます。
 でも、楽しく過ごしていても落ち込んでいても、時は誰にでも同じように流れていくので、それなら少しでも楽しい気持ちでいたいなって。
 それに、自分の中で解決できないレベルの困難はやって来ないと思うので、大変なことがあっても、「これは、絶対に乗り越えられる困難なんだ」って思うようにしています。
 そして、どんな時でもとりあえず笑顔、ですね。自分に何があっても周りの人には関係のないことですから、暗い顔していたら、「何、あの人?」って思われて損しちゃう。沈んだ顔してるより、明るい顔をしていた方が、人は好感を持って集まって来てくれると思うんです。それに不思議なもので、ひとまず顔で笑っていると、心も少しずつ立ち直っていけるんですよ。
 だから、とりあえず「笑顔」が、特効薬かな?

―現在、所属されているNPO法人気象キャスターネットワークについて教えてください。

 これは、全国の気象予報士や気象キャスターを中心に、気象キャスターの活動の幅を広げていこうとか、気象の分野から社会に貢献していこうという趣旨で集まった団体です。その中で、全国の小中学校に、地球温暖化の話をしに行く出前授業というのがあるんです。
 私も去年は県内や東京、京都、四国などの学校で出前授業をしてきました。こうした活動を通して、ちょっとは社会に貢献できたらいいなと思って。

―将来的な夢を教えてください。

 今後も、気象予報士として何らかの活動はずっと続けていきたいですね。
 ただ、「気象予報士=お天気キャスター」という部分だけが注目されがちで、それ以外の仕事は何があるの?と思う方も多いと思うんです。ですから、できれば私が女性気象予報士として、お天気キャスターだけじゃない活動の場を築けるような、ロールモデルになってみたいという気持ちがあります。
 仕事という広い範囲で捉えるならば、私は欲張りなので、結婚や出産など女性としての幸せも得たいと思うし、仕事もとりたい。家庭も仕事もしっかりとやっていきたい。どっちかをとってどっちかを諦める、ということは出来ればしたくないですね。
 水戸での活動がようやく動き出した感じなので、バランスよく両立させていければと思っています。

―最後に、ジョビジョバ読者の方にメッセージを!

 つくづく思うのは、何でも勉強だなということです。人と会って話をするとか、どこかに出かけてみるとか、そういうところから何かを感じ取る、ということが勉強で、どんな事にも無駄ってないんだなって。無駄にしてしまうのは、そこから自分が何も感じないからではないかなと思うようになりました。
 将来目指しているものがあれば、がむしゃらに努力することはもちろん大切だけど、それ以外の部分でも、やっておいて後に結びつくことって絶対にありますから、とにかく毎日を楽しく送ってもらいたいですね。