HOME > This week pick up > 『企業の本音』バックナンバー > 塚本修一さん
This week pick up! 企業の本音 vol.12 (2001/07/23)

◆(有)ひたち不動産鑑定

塚本修一先生

JJ 不動産鑑定士といえば弁護士、公認会計士に次ぐ日本の3大資格のひとつですね。資格試験は難しいのでしょうか?
塚本 不動産鑑定士は人数枠が決められている訳ではないのである程度は、まじめに勉強すればすれば誰でも合格できる資格です。ただ絶対的な勉強量を確保できないと難しいかもしれません。 司法試験は現在、年に1000人の枠があるから、どんなに勉強してもいっしょに受験した 人との競争になってしまうでしょう。ここまでやれば大丈夫という線が無いですよね。
   
JJ よく企業内鑑定士という言葉を聞きますが、同じ資格ですか?
塚本 一般企業に属し内外の鑑定評価をするのが仕事になります。信託銀行や不動産会社、損保会社の社員の方がなるケースが多いですね。
   
JJ 不動産鑑定というのは昔からある仕事なのですか?
塚本 :いいえ。「不動産鑑定」の歴史はまだ浅く、法律の公布は1963年で、日本不動産鑑定協会が法人として設立されたのはたしか1965年です。いわゆる高度成長期に整備された仕組みなのです。
 
JJ 不動産鑑定士の具体的なお仕事の内容を教えてください。
塚本 不動産鑑定関係の仕事を、大きくわけると「不動産の鑑定評価」、「不動産に関するコンサルティング」、があります。定期的に行われるのは国や都道府県が行う「地価公示」、「都道府県地価調査」、「固定資産税標準地の評価」です。
 
JJ 鑑定というと素人目には大変難しいお仕事と感じますが。
塚本 鑑定書は鑑定士の全責任が問われます。知識のほかに実務経験が無いと正確な鑑定は難しいです。また評価にはさまざまなデータが必要となります。
   
JJ 具体的にはどんなデータが必要なのですか?
塚本 具体的には実際の土地の売買事例、賃貸事例、造成事例、他に対象地に関してのデータとして上下水道、接面道路の性格、都市計画法上の規制、建築基準法上の制限、その他資料が必要です。
 
JJ 土地を評価するときのポイントはなんですか?
塚本 土地の評価をするとき参考にする項目は「土地のある場所」、「土地の大きさ、形」、「交通の便」、「道路の広さ」、「水道整備の状況」、「周辺の状況」などです。これらをひとつひとつ調査し確認していきます。 調査は大変地道な作業で、それらをすべて考慮したうえで土地の値段(評価)が決まります。
   
JJ 塚本さんはどのようにして不動産鑑定士になったのですか?
塚本 大学卒業後、新宿の不動産鑑定事務所に入り5年間在籍 しました。資格取得には2年以上の実務経験が必要です。在籍中不動産鑑定士の2次試験に合格しました。それから不動産販売会社に転職し、土地の仲介などの実務にたずさわりました。
 
JJ そこで現場の経験を積まれたのですね。
塚本 5年間鑑定の仕事をしたので、鑑定に関する知識には自信があったのですが、実際の不動産の動きは体験できませんでした。机上の仕事より現場の仕事が自分のキャリアに必要と思ったのです。
 
JJ 具体的にはどのような現場の経験をされたのですか?
塚本 実際の土地の売買に関わるさまざまな実務です。小口不動産運用商品(現在でいう不動産証券化の走り)に携わったりもしていました。
 
JJ 現在の事務所はいつから?おいくつのときですか?
塚本 平成5年に独立し現在の事務所を開業しました。35歳の時です。
   
JJ 独立された動機は何ですか
塚本 自分は人に使われるタイプではないとずっと思ってはいました。また、実家のある水戸にいずれは戻ってこなくてはならないという制約もあり、だったら自分で独立するほうがいい、と。そもそも資格者というのは独立志向の強い人々で資格を取ったらほとんどが独立します。
   
JJ 独立する時期はどのように決めましたか?
塚本 独立する時期というのは人それぞれだと思いますが、私は数年間サラリーマンをしましたが営利企業での仕事に対する限界というのも感じたのです。
 
JJ 独立心がお強かったのですね。
塚本 こういう資格商売をやっている方は、独立心の強い人が多いでしょう。
   
JJ 独立される前に休暇はとられなかったのですか?
塚本 退職して翌日には会社設立でしたので開業前には休暇は取りませんでした。ただ不動産会社へ入社前6ヶ月くらい休みました。その間アフリカにもいきました。仕事ではなく趣味で。大学時代はワンダーフォーゲル部に属してたんです。
   
JJ なぜアフリカに?
塚本 私は登山が趣味で大学ではワンダーフォーゲルという登山をするサークルに入っていました。世界中の山を登りましたが、アフリカは特に印象深かったのです。
   
JJ 一人でいかれたのですか?
塚本 妻といきました。大学時代から同じワンダーフォーゲルの一員だったのです。 実は独立した理由にこの趣味の影響があります。「好きなときに山に登りたい。自営業であれば好きなときに山にいける。」というのはかなり大きな理由でした。
   
JJ アフリカのどのあたりに行かれましたか?
塚本 タンザニアやケニアにいったりしました。またキリマンジャロ山にも登りました キリマンジャロは高度6000Mくらいなのでそんなに難しい山ではないんですよ。高度順応さえうまくいけば技術的には簡単です。
 
JJ 高度順応とは何ですか?
塚本
たとえば、普通の人が高度5000Mの場所に行くと気持ちの悪くなって、ふらふらしてしまいます。船酔いと二日酔いが一度にきたような感じですね。それに耐えること、体をそれに順応させることが高度順応です。
 
 
高いところから低いところに戻ってもそういうのはあるのですか?
塚本
それはありません。逆です。高度5000Mから4000Mまで降りてくると、嘘のような爽快な気分になっています。
 
JJ 6000Mの山に登って帰ってくるとずいぶん日数が必要なんでしょうね。
塚本
いいえ。5日間もあれば帰ってこれます。
 
JJ アフリカでは現地人との交流はあるのですか?
塚本
キリマンジャロは雇用対策でポーターを雇わなくてはいけません。 荷物を持ち、食事をつくる人です。彼らと毎日一緒にいます。
 
JJ 現地の食事はどんなものですか?
塚本
パンやおかゆのようなものなどを作ってくれます。
 
JJ おいしいんですか?
塚本
味は好みがあるとは思いますがだいたいおいしかったですよ。
 
JJ 最後に塚本さんの仕事への思いを教えてください。
塚本 社会に貢献できる仕事というのが 私の職業観の基本としてあります。 また自分の思うとおりの理想を形にしたいという願望は強くあります。 だからこそ自分の会社を作りそこでの納得のいく仕事をしたいと考えました。 仕事を しやすい環境、力を発揮できる環境を整備して、人を幸福にする会社にしていきたいと思います。
  □インタビューを終えて
 

塚本さんは、趣味と仕事のバランスがとてもよく取れた方です。山登りが好きで、山登りを生涯の趣味と決め、不動産鑑定士の資格を計画的に取得し、独立に実務経験を積まれた上で独立されまし た。まさに理想的な独立、理想的なライフスタイルです。夢と現実が一致するとは、こういうことかと思 います。 しかし彼は簡単にそれを手に入れたわけではありません。10年近く思いを継続させたことが、今を形作ったのです。自己実現の基本とは「思いの強さとその継続」である、当たり前のことかもしれませんが再確認致しました。自分の好きなことを追求し、形にしていくというのは誰でもあこがれることですが、日々の情熱と努力がなければ実現はできないのです。インスタントに幸福を手にしようとする若者が多い中、彼の生き方は良い模範になるのではないでしょうか。 途中お子様の写真を見せてくれたりと家族を大事にする一面もあり、素敵なお父様であり、頼りになるだんな様であることも知りました。 タフで優しい不動産鑑定士が水戸にはいます。 ジョビジョバは塚本さんを誇りに思います。

TOP