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----- 株式会社紙善 取締役社長 神尾 圭太郎 -----


出身

水戸市
生年月日
1965年2月27日
血液型
O型
学歴
茨城県立水戸商業高校卒〜学校法人桑沢デザイン研究所卒
職歴
野中デザイン研究所〜服部紙商事株式会社〜株式会社紙善(2001年・取締役社長就任)
趣味
オートバイ、ゴルフ
自分の性格
温和、楽観的
影響を受けた人物など
父親、柳宗理(工業デザイナー)


設立

昭和26年1月
業務内容
1、洋紙・情報用紙・板紙の販売
2、特殊紙・和紙の販売
3、各種再生紙の販売
4、各種紙加工、並びに紙製品(封筒・賞状・名刺用紙等)の販売
5、各種プリンター(インクジェット・レーザー・コピー等)用紙の販売
6、家庭紙(トイレットペーパー・ティッシュ等)の販売
連絡先
本社/茨城県水戸市末広町1-3-6
TEL:029-226-2458 FAX:029-226-2460 E-mail:kamizen@topaz.ocn.ne.jp
URL
http://www.kami-zen.com
 
工業デザイナーとして社会人をスタート

━ 小さい頃からデザインや絵を描くことが好きだったという神尾さんですが、好きになったきっかけは?

実家が紙を売る商売をしていましたから、家にはいつも自由に使える紙がいっぱいあったんです。だから、自然に紙を使った表現をするようになったのだと思います。絵を描くことから始まり、厚紙、色紙を使った工作をして遊ぶようになって、絵を描いたりモノを作ることが好きになりました。ですから「自分は何がやりたいんだろう」と進路を考えたとき、やはりデザインの方向に進みたいという気持ちが強くて、工業デザインの学校で勉強をしてから3年ほど工業デザイナーとして働きました。

━ 具体的に何のデザインをされていたのでしょう?

主に浴槽や水まわりなどのデザインです。当時は今のようにパソコンもないし、手書きで図面やレンダリングを描くことが多かったので、逆にそれがまた面白かったですね。

━ 神尾さんが影響を受けたという、工業デザイナーの柳宗理さんについてお聞かせください。

彼は、物を作り出すのに最初から図面を起こしたりするのではなく、自分で使えるように、手で作ってみながらデザインをするんです。例えばキッチン用品などでも、“使い勝手が悪いけどかっこいいモノ”と“デザインは良くないけど使い勝手が良いモノ”とかありますが、彼の場合はデザインと機能二つの調和を大事にしています。そうした彼の考えに共感し、彼を目標に仕事をしていました。

━ それから、東京の紙商事社で仕入れの仕事をされてご実家を継がれたわけですが、もともと実家を継ぐというお気持ちはあったんですか?

僕は長男だったので、会社を継ぐというのは自然な流れでした。もちろん、デザインの仕事を始めたのも「紙が好き」という理由からでしたし、紙を売るという仕事にも、デザインという部分は使えるんじゃないか、と考えたんです。何らかの形でデザインという付加価値をつけられたら、将来会社を経営していく上での強みになり、会社を新たな方向へ発展させられるのではないか、という思いが常々ありました。

━ 実際、好きな「紙」を扱うお仕事をされてみていかがですか?

純粋に紙という素材が好きなので、仕事にできて楽しいですね。もちろんそれだけではなく、「こんな紙が欲しい」というお客様の要望に応えることができた時は、充実感があります。
最近ホームページを立ち上げたので、まめに更新をしながらどんどん新しい情報をお客様に提供していきたいと思ってるんですよ。ホームページがあれば、見る側も好きな時間に情報をチェックすることができますよね。

一般の人にも紙の魅力を伝えたい

━ 御社ではどのような紙を扱っているのでしょうか?

印刷用紙がメインで、それらを印刷会社に販売しています。その際には、用紙を印刷会社にある印刷機に合わせて、カットして納品しています。また他にも、新聞、チラシ、雑誌用の紙や和紙・特殊紙など基本的に市場にある紙のほとんどを扱っていて、印刷会社以外には、官公庁、一般企業、学校、文具店、ホームセンターなどに販売しています。

━ 現在、紙をとりまく業界に変化のようなものはありますか?

最近は、中国やインドネシアなど労働力が安い国から安価な紙が輸入されるようになって、流通が変わってきています。そうした安い紙は総合商社から直接大手印刷会社へ販売されてしまうケースがあります。また、文化のバロメーターと言われていた紙という素材も、少子高齢化や経費削減の波で、弊社で扱う紙の量というのが絶対的に減少してしまうことが考えられます。
ですから、もっと一般の人にも紙に興味を持ってもらって、紙を使う側の層を増やせたら、と思うんです。というのも市場には数万種類の紙があるのというのに、一般の人が知る機会ってないじゃないですか。とてももったいない話ですよね。
ですから、紙にはこんなにたくさんの種類があるんだということを知ってもらえる場所を作りたいんです。紙というのは、実際太陽光の下で見るのと蛍光灯の下で見るのでは違ってくるし、触ってみないと厚さや風合いも分からないので、ネットで販売するというわけにもいきません。数万種類の紙を全部見せる場を設けるのは難しいかもしれませんが、何とかそういう場所を作って、一般の人にもっと興味を持ってもらいたいと思っています。

━ 確かに私達がそれほどたくさんの種類の紙を知ることができる場所ってありませんね。そういう場があれば、もっと紙が身近な存在になるように思います。

個人が使う1・2枚の紙は、そう高いわけではないので、いろんな紙の使い方があることを理解してもらいたい。紙って、実はこんなにきれいで楽しくて温かいもの、人の感性に訴えかけるものなんだ、というのを目の前で見て、触って、感じてもらえたらいいですね。

仕事に興味を持って、好きになる努力を

━ 今後はどのような指針で会社を経営していきたいとお考えですか?

やはりお客さんからの信頼です。信じて頼ってもらう。そういう信用をお客様と築いて、頼ってもらえるような関係を深めて経営していきたいです。高度なITの時代ですが、結局は人と人との信頼関係、会社と会社との信頼関係が大切です。「紙善に聞けば何とかなるよ」と言われる存在になりたいですね。
また、社員同士の情報の共有化、チームワークも大事な部分です。ですから事務職や営業職で入社した人でも、一度現場での仕事を見学、経験してもらって、お互いの仕事の役割というものを理解した上で仕事をしてもらいたいと思っています。

━ 神尾さんが理想とする社員像のようなものはありますか?

素直な人ですね。例えば、前職で優秀な営業マンだったからといって、新しい職場でもそうなるとは限りません。過去の実績にとらわれず、素直になって一からスタートできる人、そしてそれが大事なことなんだ、と理解できる人ですね。
また、仕事だけでなくいろいろなことに興味が持てる人。興味が持てる人は覚えるのも早いし、なぜそれをしなくちゃならないのか、というのをちゃんと理解できるんです。何かに興味を持つことができなくなったら、人間としての視野も狭くなるし、お客さんとのコミュニケーションも図れず、仕事にも差がついてしまうでしょう。ですから、スポーツでも文化でも何でもいいから興味を持つ、ということが大切だと思います。

━ 就職活動中の人たちへアドバイスをお願いします。

何をやるにしても途中で投げ出さないことです。仕事だけでなく、最近は何でも嫌になったらすぐ投げ出す、諦めてしまう人が多いように思います。ですから、一度はとことんやってみることが大事なのではないでしょうか。
とことんやるには、それを好きになること。最初は辛いんですけど、1ヶ月、2ヶ月続ければ楽しいと思える部分も出てくると思うんです。誰だって、仕事をしていれば会社やお客様から必要とされたいはずです。人に必要とされるための努力は、仕事でも人生においても大事なことです。そのためには途中で投げ出さず、ある程度のところまで一回やってみる、腹をくくることが必要じゃないでしょうか。
だって、辞めることなんていつでもできるんですよ。

■インタビューを終えて

神尾さんは、幼い頃から周りに紙があったことから、自然に絵を描き始め、モノを作り出すことが好きになったといいます。その頃の経験が、神尾さんの豊かな感性と温厚な人柄を作り出したんですね。とても分かりやすく丁寧にお話をしていただき、和やかな中で取材を進めさせていただきました。

本や雑誌、画集、ノートなど、気が付けば私達はたくさんの紙に囲まれて生活しています。でも私達が手にとって見ている紙というのは、市場に出ている紙の中のほんの一部分。
「もっと一般の人に紙のことを知ってもらえる場所を作りたい」
神尾さんの豊かな発想と感性があれば、こうした場所もきっと近い将来実現することでしょう。その際には私も足を運んで、紙の素晴らしさを、手と(頼りない)感性で味わってみたいと思いました。
今後の紙善さんの新たな展開に注目せずにはいられません。(さるこ)