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This week pick up! 働く人の本音 vol.6 (2001/02/20)

□■ 田中 覚 ■□

理学博士

(株)ベストシステムズ
主任研究員



勤務先:株式会社ベストシステムズの会社概要
業務概要
業務内容



設立年月日
資本金
代表取締役
URL
ハイパフォーマンスコンピューティング環境における 先進技術の提供
ハイパフォーマンスコンピューター関連製品の 輸入・販売・サポート システム運用管理サポ
ート プログラム開発・チューニング

製品開発
平成10年2月9日
3000万円
西  克也
http://www.bestsystems.co.jp/

JJ どんな会社ですか?
田中 当社は1998年の2月に設立しました。事業内容は主にハイパフォーマンスコンピュータのハードウェア・ソフトウェアの販売、研究開発・コンサルティングです。スーパーコンピュータに近いもので納品先はたいがい研究所・官庁・学校関係がほとんどです。
   
JJ 一般企業への納品はしないのですか?
田中 まったくしないというわけではありません。弊社で扱っているソフトウェアは科学技術の計算で使用する専門ソフトが中心なので、お客様としては公官庁・大学関係の方が多いです。一般企業様、公官庁・大学関係の方にコンサルティングの後、使用目的にあったソフトを開発します。
   
JJ 田中さん自身はどんなお仕事をされているのですか?
田中 世間一般ではSEと呼ばれている仕事です。弊社が扱っている製品でクラスタシステムというものがあります。コンピュータをたくさんつなげて並列化し計算作業を速くするシステムのことをいいます。私の仕事は、それらの保守管理です。
   
JJ コンピュータの保守管理を毎日するのですか?
田中 週に3、4日は企業訪問します。九州のほうもあるので数日出張する場合もあります。特殊なものですので、問い合わせも多く顧客からのメールも1日数十通きたりします。
   
JJ 対応が大変そうですね。
田中 すべて私一人ではなく保守管理チームがあるので、その時対応できる人間が対処します。実際に企業に伺っても、すぐに直せることはほとんどありません。中途半端な対応で悪化させてしまうケースもままあります。失敗も多い仕事です。
   
JJ きつい仕事ですね。仕事の醍醐味はどんなところですか?
田中 いろいろ試行錯誤が必要で、その過程が面白いといえば面白いです。いつも没頭して楽しんでいる自分に気付きます。お客様は困っているのに楽しんではいけないですよね。(笑)「ここがおかしいから来てくれ」とトラブルの原因を特定するような要請があって、伺って行ってみると、実は別な原因があったりして、そういう場合は、新しい分野の勉強が必要だったりもします。   
   
JJ 顧客の反応がダイレクトに返ってくるお仕事ですね。
田中 一番嬉しいのは、顧客からの「助かったよ、ありがとう」という一言です。これは何にも変えがたい喜びです。仕事を続けていることの意味を感じます。また、この仕事を選んでこの会社に就職してよかったなと感じます。きつい仕事なので、これが無いと仕事を続けられないと思います。  
   
JJ 今の会社にはいつから?それ以前のキャリアも教えてください。
田中 ここは、まだ7ヶ月目です。私は筑波大の大学院を卒業後研究室に残りました。一般には理学部と呼ばれるところですが、筑波では自然学類と呼びます。ここは生物を除いた物理・化学・数学・地球科学などを学ぶところです。私は大学で物理を専攻し、大学院は物理学研究科を終了しました。
   
JJ 研究室に残られていたんですね。
田中 非常勤の研究員として研究室に残りました。博士課程を終え、ずっと研究を続けるつもりだったんです。研究が好きなんです。研究をはじめると何かにとりつかれたようだとよく周りから言われていました。ちょっとオタク的ですか?(笑)
   
JJ こちらに就職されたきっかけは?
田中 はじめは研究職を探していました。しかし、なかなか適当な職場が見つからずいくつかの人材紹介システムにも登録していました。そうしたらそのうちの一つをここの西社長が見たということで、メールがきたのがきっかけです。
   
JJ 国立の研究所ではなく一般企業への就職について迷いはなかったのですか?
田中 迷いはありませんでした。西社長から声をかけていただいた時、すでに研究職へのこだわりはありませんでしたし、もともと趣味としていじっていたコンピュータを仕事にしても良いかなと思っていた時だったので、まさに渡りに舟という感じでした。
   
JJ
会社を決めたポイントは?
田中 まだ若い会社なので、ここに就職すれば将来会社の重要な面にも携われるかもしれないという期待も多少ありました。何より、西社長とお話をしたとき私のスキルを必要としてくれていると実感できたのが何よりのポイントです。
   
JJ お仕事には慣れましたか?
田中 人手不足のハイテクベンチャーですので、当初はとても忙しく感じ、何でもこなさなければならない環境に戸惑いました。今は慣れました。自分でも、良くやってるなと思うこともままあります。
   
JJ 面接をするときに気をつけていることはありますか?
田中 能力と人柄です。特に人柄を重視します。その方のプロトコルのようなものですか ら。チームを構成する場合は人的配置のバランスも考慮します。
   
JJ 研究室にいたころと現在では生活スタイルは変わりましたか?
田中

そうですね。研究所時代は研究所に住んでいるような状態でした。今の職場は休日はきちんと休んでます。仕事とプライベートをわけることがことができるようになりました。もちろん休日も仕事をすることもありますよ。

   
  □インタビューを終えて
好きこそものの上手なれ、というのは良く言ったものです。そして好きなものが会社の求めるものと一致している、それ以上の適職は無いでしょう。しかし、この「好きなもの」というのが曲者で、その対象がジャンルなのか、プロセスなのか、行為そのものなのか、見極めなくてはなりません。自分が勉強が嫌いではなく研究的なプロセスその行為そのものが好きなんだと気がつけば、ジャンルはあまり意味のないことで妥協できます。ここを間違えると、例えば研究プロセスが好きなのに、薬というジャンルにこだわったため医薬品の会社で営業販売にまわされた僕の友人の不幸の二の舞になります。その友人は会社を辞めて今はフリーターです。一方これこれの分野に特殊な能力を持っているといった人がジャンルを変えるのは不幸です。考古学に特殊な才能を持っている人、たとえば遺跡の発掘の天才が、ヒトゲノムに携わっても苦痛なだけでしょう。でも、もしかしたら、新しい遺伝子を発掘するかもしれないですね。そう言う場合は「探す」という才能をその人が普遍的に持っていたということになります。専門職の場合は特に、自分の能力の傾向を客観的につかみ、求められる世界で、没頭できる仕事を探すこと、そのためにはその会社の経営者が何を考えているのかも重要な要素であることを勉強させられました。テクノロジーの進歩に自分がどう対応していくのかを考えておく必要もあります。また、専門職の方々の話を聞いていて多いのが、実はその仕事としての喜びが、技術的問題の解決というよりお客さんの喜ぶ顔であるというケースです。人の役に立っているという実感は人間が生きていく上で普遍的な動機になりうるんですね。この点でも良く考えておきたいものです。簡単にまとめると「好きで人のお役に立てる仕事がサイコー」ということですか。
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