| 毎日何かしら事件がおきてそのたびに新しい発見があります。
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━今やっているお仕事はやはり事務が中心ですか?
しいて言えば、何でも屋というでしょうか。 施設に関することはすべて、オールマイティーにこなさなければならない立場にいます。
この施設には60名が入居していて、従業員は、厨房に5人、事務所には4人しかいません。 お風呂掃除からはじまって、館内の清掃や、誰かが倒れてしまった場合の付き添いとか、あらゆる雑務をこなさなければなりません。
そういったことを4人でするので、事務はおまけみたいな感じです(笑)
━たった4人で60名の方の面倒をみるというのは可能なのですか?
そうですね。当社は訪問介護事業も行っているので、人手が足りない時は、ヘルパーの方にも手伝ってもらっています。でも、基本的には4人でこなしています。
ただ、一般的に老人ホームというと、寝たきりとか、そういうイメージを持たれるかもしれませんが、当ハートピアは、自立している人に食事付きのアパートを貸している、という感覚の施設なので、手のかからない人が多いんです。
━老人ホームというと、"介護"というイメージが強いですが。
同じ老人ホームでも様々な種類があって、私達の施設は一般に「ケアハウス」と呼ばれるものです。ですから私たちの仕事も介護とはまた違うのです。
呼称も「寮父さん」「寮母さん」という言い方で、まぁ管理人さんに少し毛が生えたような感じと言えます。
━入居者の平均年齢はどのくらいですか?
平均は75歳ぐらいです。60歳から、一番年上の人は95歳ぐらいの人もいるんですけど、元気な方ばかりです。
そういう人たちが、「一人暮らしは寂しいから」とか「自分で料理を作るのが面倒だから」・・・といった気軽な動機で入居してきます。
━入居されているお年寄りの方から、相談をうけたりすることも多いんでしょうね。
身の上相談とか・・・毎日のことです。60人もいれば、様々なことがありますよね。 誰と誰が仲が悪いとか、誰が誰を好きだとか・・まあそういった人間関係のことから始まって色々と。
でも、私たちは、相談されれば、どんな話でも親身になって対応しています。
━ この仕事の魅力は?
これだけ人がいるので、毎日何かしら事件がおきてそのたびに新しい発見があります。 そういう意味では毎日が刺激的です。
それから、月一回ある催し、誕生日会や遠足など、職員が考えた企画の結果が、すぐ形になって返ってくるのは、手ごたえを実感できてうれしいです。
━誕生会って、例えばどういう出し物をやるんですか?
半分ぐらいはボランティアや、専門の歌手などにお願いしていますが、その他に、餅つき大会やバーベキューなどは自分たちで企画もします。
ビンゴ大会に一工夫加えたり、寸劇をしたり・・・。 そんなに大掛かりなことはしないのですが、とにかくご老人が理解できるものをすることに気をつけています。
私達が面白そうだと思っても、実際やってみると反応が返ってこない時もありますから。
| 銀行マンの頃は、「お客さん」って割り切っていた部分もありましたが、今は一緒に生活している「家族」のようなもの。信頼を一度崩したら、身近な存在だけに立て直すのに苦労します。
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━仕事をしていて、特に難しいと感じる部分はどこですか?
信頼関係を築くことです。60人全員の入居者からの信頼がないと、始まらない仕事です。事務所は4人なので、1人でも、不信感を持たれると終わりです。
自分がどんなに忙しくても、相談されたことをないがしろにすれば、噂になって、すぐ広がりますから。
━お年寄りの心を掴むために気をつけていることは?
お年寄りの心を自分に向かせるには、それぞれが努力して経験で学んでいくしかないと思います。
私も、今までは仕事に慣れることに必死で、なりふり構わずやってきていましたが、最近少し考えて行動しなければと思っています。 銀行マンの頃は、お年寄りと話していても、「お客さん」って割り切っていた部分もありましたが、今は一緒に生活している「家族」のようなものですから、信頼を一度崩したら、身近な存在だけに立て直すのに苦労する・・・その辺が気を使うところです。
━ところで、転職するのに、迷いはなかったのですか?
性格的に決めると、ぱっと行動しちゃう方ですから。 自分の中ではすぐ切り替えられました。でもやっぱり一応迷ったかな?2週間ぐらい(笑)当時結婚も決まっていたので、自分のことより、周りを説得するのが大変でした。
━婚約者から反対されましたか?
喧嘩になりましたね。「転職するかもしれない」って切り出して、次に会った時には「もう決めたから」という報告でしたから。
「私の事も考えないで、自分で勝手に決めて!」って怒っちゃって。当然ですね。転職する事にしたのは、結婚が決まってからだったので。彼女の両親も巻き込んで、ちょっと一悶着ありました(笑)最後はきちんと説明して理解していただけたので、よかったですが。
職業っていうのは自分だけの問題ではなく、家族を巻き込む問題なんだ、と気付かされました。
━周囲の反対を押し切ってまで、やりたい仕事に就けたというのは幸せなことですね。
そうですね。好きなことなので、俄然仕事にもやる気が出るようになりました。 最初の銀行就職の時には、自分が何をしたいのかについて深く突き詰めなかったんです。だから毎日が無意味に感じられて辛かった。
━やりたい仕事とそうでない仕事では疲れの質も違うんでしょうね。
今は、テニスサークルに入って運動不足を解消したり、フレッシュしたり、ストレスを溜めないように自分でうまく調整できるようになったと思います。
銀行員の頃は、とてもそういう気にならなかったし、いつも我慢して仕事をしていたので、仕事の為に精神状態をコントロールしようなどとは考えませんでした。
ああ疲れた、早く寝たい、としか思わなかったんです。
━将来の目標はありますか?
まずは資格を取って、最終目標はこの施設のトップ施設長を目指します。 福祉の資格は、社会福祉士や介護福祉士、ホームヘルパーなどいくつかあり、
働きながら勉強するのはなかなか困難ですが、必要な知識ですからがんばります。
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